点と点をつないでいく ー株式会社モリカワー
『お茶とコーヒーの店 もりかわ』さんは、田辺でも老舗の1つです。
取締役総括部長である森川真帆さんに、株式会社モリカワのこれからについてお聞きしました。
会社をまとめていく立場で、また、母親としての目線で、真帆さんが抱いている思いをお届けします。
輝くのは生産者
ーーーコーヒーの焙煎、小売り、食品の卸業など、幅広く事業を展開されているモリカワさん。これから特に力を入れていきたいところはどこですか?
地元の商品を扱えるようになっていきたいです。
地域の良いものって、その中にいたら気付きにくいんですけど、一度外に出たら、改めて良さがわかるものですね。東京の友人にみかんを送った時、とても喜んでもらえたんです。紀南地方では、普通にあるみかんなんですけど。
当たり前すぎてなかなか見えない、そういうものの価値を見出して、きちんと伝えて、販売していきたいです。
ーーー地元にあるものを発信していくということですね。
どのように販売していくかは、私たちも勉強しなければいけないところなんですけど、小売りとしてのルートもあるし、加工する設備もあるから、そういうところで、モリカワが役に立てればいいなと思っています。
生産者の方々は、ものを作る技術があり、それぞれで発信して販売されています。それとは別に、モリカワだからできるアピールの仕方や、販売方法を探っていきたいです。
ーーーどんなものでもネットで買える時代になり、大手スーパーも進出してきています。地元の人に、地元の店で購入してもらうということが難しくなってきていると思うのですが、いかがですか?
結局、選んでもらおうと思ったら、選ばれるものを作らないといけないですよね。
スーパーではできない売り方を考えていくことなど。例えば、地域の良いものを詰め合わせた商品を作るとか、ちょっとした贈り物に使ってもらえるパックを作るとか。そこは地元で小売りをしている強みかなと思っています。
ーーーモリカワの思いはここです!ということはありますか?
生産者のみなさんに輝いてもらえるように、というところですね。
モリカワは中間地点なんです。こういうところにこだわっているという作り手の「思い」と、そこからできた「もの」を、消費者に紹介し、提案し、届ける。それが、地域に育ててもらったモリカワができることだと思っています。
そういう視点からも、地元の良いものを扱える力を付けていきたいです。
家業を見て育つ
ーーーモリカワの仕事をすると思っていましたか?
3姉妹なので、残念やなって感じだったんだと思いますよ。笑
誰かに言われたからとかではなく、なんとなくやっていくんやろうなという感じでしたね。逆に「やれっ」と言われると、反発してやらなかったかもしれません。仕事は身近にあって、嫌いなことではなかったです。
大学生の頃は、友達といることの方が楽しくて、帰省してもほとんど家にいなかったんです。でも、年1回開催されるフードフェアの時だけは、しっかりと予定を空けて手伝いに行ってました。
結局、昔から好きだったんだと思います。
ーーー子どもの頃から家業を見えるというは、素晴らしい体験ですね。
店に行くのは、手伝いをしに行く時だけで、遊ぶところではないという線引きはしっかりとされていました。パックするのを手伝ったり、お客さんにお茶やコーヒーをお出ししたり。子ども相手だから、お客さんも「ありがとう、偉いね〜」って褒めてくれていい気分でした。役に立ってるという感覚も嬉しかったんでしょうね。
ーーー今、4年生の息子さんは手伝ってくれますか?
パソコンの入力作業には興味があるみたいです。「土曜日の朝に打ち込みするから用意しておいて」と言われます。内容をわざわざ手書きしてるんです!‘改行’とかまでちゃんと書いて、すごく時間がかかります。笑
でも、学校のコンピューターの時間に、ちょっとわかるのが嬉しいようで、こうやって仕事に触れていくのはいいことだなと思っています。
社内に新しい風を
ーーー取締役総括部長として、会社をこんな風にしていきたいという思いはありますか?
自分の目標や夢について、お互いに話せる環境を作りたいと思っています。そういうのを話すことって「恥ずかしい」「できんかもしれんし」って自分を枠に閉じ込めてしまってることが多い気がします。でも、その枠を取り外せたら、職場の雰囲気も絶対変わるし、自分の中に芯みたいなものができていくと思うんです。上を目指す人を応援できるように、前向きな話ができる環境を作りたいです。
ーーー確かに、目標や夢を言うことに抵抗がある人は多いような気がします。「私、こう言うことをやりたいんです!」と言える環境は、清々しいですよね。
そのためにも、それぞれが学べる場を作れたらと思っています。学ぶテーマは何でも、興味のあることでいいんです。ただ、動画を見るだけという受け身なものではなく、できれば、リアルタイムで質問ができたり、意見交換ができたり、人とキャッチボールができる方法がいいと思っています。全く違う分野の話で「訳のわからんことを真剣に話やるな〜」っていうところからでも、そこには何かしらのきっかけがあると思うんです。
今の社員は30代が多く、子育て世代でもあります。子どもも巻き込みながら、たくさんの人に触れ、学び、経験して欲しいと思っています。経験することが多ければ多いほど、自分の中の芯が強くなるし、それは、子どもの成長にもプラスになるはずです。
もちろん、私自身も頑張らなければいけないところなんですけど。笑
職場や自分の友達だけの関係にとどまらず、もっと幅広い世界で価値観を広げられる機会を作っていきたいなと思っています。
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真帆さんがつないでいきたい「点」は、生産者、消費者、さらには、社員、様々な分野の人、家族・・・。
5年後、10年後、つないだ点からどんな形が生まれているのか、これからも追いかけていきたいと思っています。
香りと味のもてなしクリエイト
株式会社モリカワ