子どもや親を支援するために大切なこととは – 通信のこのこ10月号 (第 5 号) 

 子どもや親を支援するために大切なこととは – 通信のこのこ10月号 (第 5 号) 

センター長あいさつ

今回の講演会も前回に引き続き、大切な基本が共有されました。
~ 不登校の解決は再登校ではない(文部科学省の基本方針) ~
親も先生も支援者も、みんなが一番望んでいることは、その子が一人で生きていく力をつけて大人になることです。自己肯定感は何かができるようになったから身に着くだけのものではなく、「そこに居場所があり存在していていいと思える」ところからも身に着くものだということが確認されました。
「存在そのものが尊い」、分かっていることだけれども、皆と同じことができなければ不安になるのが私たちです。親も子もそこで悩むことになります。だからこそ、「学校に通う以外の選択肢を提示できる社会にしたい」という思いが、今回分かち合われました。「なるほどな」と思わされました。
同時に、現在の状況は、その選択肢が当事者に安心感を与えるレベルで存在しているわけではない現実があるように思います。学校に通える安心感は間違いなくあるわけです。
のこのこは両方面へと活動を広げていくことになると思いました。
(藤藪庸一)

 子どもや親を支援するために大切なこととは

 10月8日(日)午後に、「のこのこ」と「クオリティソフト(株)ISアカデミー」の共催による「子ども教養講座」の2回目が開催されました。テーマは「子どもの悩みへの寄り添い方~行き渋りや、不登校にどう向き合うか」で、イノベーションスプリングス(白浜町 中、クオリティソフト内)で開催しました。当日は、4名によるパネルディスカッションに定員の60名を大きく上回る来場者になりました。 

 まず精神保健福祉士の亀井孝太郎氏のミニ講義から始まりました。 

 精神発達について

 精神医学における「こころ」とは、脳の機能のことであり、一人ひとりの内側で体験される考え方や意思の動きをいう。『こころ』の仕組みを獲得していくプロセスを精神発達と呼ぶ。精神発達とは、「周りの世界をより深く、より広く、知っていくこと【認識の発達】、関わっていくこと【関係の発達】」であり、これらが相互に支えあうことで精神の発達を推し進める。 
しかし、精神発達に課題が生じると、不安と緊張が高まり、孤独を感じ、他者と世界を共有しづらくなり、混乱しやすくなる。また、衝動と欲求をコントロールする力を獲得することが難しくなる。精神発達を阻害する可能性は誰にでもあり、気になることがあれば、なるべく早く受診することをすすめる。 
そこでの親のアプローチとしては、 
●子どもの問題が自分の問題にすり替わらないように気を付ける 
●子どもの問題は子どものもの。親が手を出しすぎない我慢が必要 
●心配しすぎない、でも気にかけていることを伝える 
といった内容を説明されました。 
亀井氏は、「親も子も自己肯定感を大切に。調査からも不登校は多くの場合、将来的には大きな問題にはならない。むしろ、派生する自尊感情の傷つきの方が心配。」と締めくくられました。

 4人によるパネルディスカッション

 対談は、中学生の父親でもある山本賢氏の亀井氏に対する質問から、和やかで楽しい雰囲気で始まり、当センター長の藤藪庸一からは、孤立を感じている本人や家族に関わり支える側のタイミングはとても大切であり、その方々の生活の節目で支援者がどう関わるか。臨床心理士の西真弘氏からは、困っている方々をどう支えるべきか、不登校問題は、最終目的が再登校ではなくて、いかに自分らしく生きられるようになるかという意見が出されました。 
フロアーからも「スクールカウンセラーとして、『今、ここで』を大切にしている。学校、保護者、本人といった三者それぞれの目標を大切にしている。」という意見を頂戴しました。 
それに対して、すばらしいスタンス、まさにそうであり、目の前の問題に関わることが未来につながる。孤立させてはいけない(亀井)。三者(本人・保護者・学校) ともに同じ方向は難しいが、今の目標に対して、広い視野を提供して、見極めて三者つなげていく、そのことに徹している(西)。 
とは言え、子どもたちに目標と言っても、今の時点でわからない、学校へ行っていない、家庭での空気感、そういうなかで目標を決めることはむずかしい(山本)。考える時間が大事、自分の事をありのままでいいという自己肯定感を増やすには小さな自己決定を積み上げること、大人としての責任は、子どもに未来に関する目標を持たせること。(西)。いるだけで、それでいいで大丈夫ということ。とにかくあなたがいて「ありがとう」の環境があれば自己肯定感を持ちながら行ける(藤藪)。 
和やかな雰囲気で会は進み、最後に、地域共生社会の安心・安全が大切な概念(亀井)。特に先生方へ、無力感が生じることもあるが、みなさんがしんどいと言えることがケアになる(西)。私の仕事の仲間は、デザインはできるがコミュが苦手、その逆の人もいる。互いに補い合いながら仕事をしている。子育ても、大きな枠組みで子どもと関わりたい(山本)。どんなことでも、のこのこを頼ってもらえればと考えている(藤藪)。と、それぞれがまとめられ、フロアーからも、「さまざまなコミュニティが形成されて、さまざまな居場所が地域に生じることを期待します」という意見も寄せられました。 
終了後の感想として「対談で私が聞きたい質問をしてくれた」「保護者代表の方がいらっしゃってよかった。」「様々な立場の大人が子供たちのために一生懸命考えている姿に感動した」他、たくさんのメッセージを頂戴しました。 

いっしょに学びませんか

知ろう、考えよう 子供の福祉その③ 「子どもの権利条約、4つの原則」

「子どもの権利条約」には、4つの原則があり、ユニセフ(国連児童基金)は以下のように説明しています。

4つの原則は、それぞれ条文に書かれた権利であると同時に、条約で定められているほかの権利を考えるときに、常に合わせて考えることが大切です。 

命を守られ成長できること
すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。

子どもにとって最もよいこと
子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。 

意見を表明し参加できること
子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

差別のないこと
すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。

この4原則によって、条約が定める子どもたちの権利は、大きく分けると以下のようになります。 

生きる権利 育つ権利 守られる権利 参加する権利

※引用・参考;unicef 子どもと先生の広場>子どもの権利条約

お電話での相談

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のこのこルームを開設します

先月号でも紹介した「のこのこルーム」について、もう少し説明します。 
「のこのこルーム」は、小中学生の居場所として活用してもらえることを目的としています。 
学校へいきづらい小中学生のみなさんに訪れてもらい、活動や学習、おしゃべりの場として、のこのこを活用してもらうものです。家庭や学校の先生方と一緒に子どもさんを暖かく見守り、支え、共に取り組み、後押しして、他者やコミュニティとつながり、子どもさんの成長を願います。 
開設当初の活動内容を以下の通り考えています。 
(1)当面は、週2 回程度を予定しています 
(2)小中学校の退職教員を中心にしてルームを運営します 
(3)学校にもお伝えして、ルームでのお子さんの様子を学校に知っていただきます 
のこのこルームについて、興味がありましたら、ぜひ左記の電話・ライン・メールでご一報ください。 
※同じく先月号で紹介した、「のこのこ広場」については、のこのこ広場のおたよりをご覧ください。