みんなが主人公として活躍できる社会を目指す
鳥渕 朋子 とりぶち ともこ
「お父さんの育児参加ってよく言われるけど、お母さんの育児参加って聞いたことないですよね。それは、お母さんが子育てするのが当たり前と思っているからです。本当はむしろ、お父さんの育児『参画』について語らなければいけないのに。」
そう語る鳥渕さん。20代から30代の頃はバブル経済下で、世間が言うところのキャリアウーマンだったそうです。
「肩パットの入ったスーツを着てましたよ」と笑います。キャリアウーマンという言葉が本当によく似合う知的な雰囲気と同時に、親しみやすい雰囲気も兼ね備えた女性です。
前職では大阪の都市計画系のコンサルタント会社に所属し、ソフトの分野を担当していました。その後和歌山市に移り、自分のペースで仕事をしようと『アクト研究室』を開業しました。
アクト研究室の「アクト」には、「人がいろいろな場所で主人公になって演じる(act)」という意味と、「アクティブ(active)」の2つの意味が込められているそうです。
アクト研究室の多岐にわたる業務のひとつに、自治体の男女共同参画計画の策定があります。「参画」とは、事業などの計画について実行段階からだけでなく、計画の段階からも加わるという意味。子育てに関して言えば、どちらかが「手伝う」という姿勢ではなく、それぞれが役割を担うために「主体的に話し合い、取り組む」という感じでしょうか。
お母さんだけでなく、お父さんも子育ての主人公となり活躍すること。
そして、男性だけでなく、女性も社会の主人公となり活躍すること。
鳥渕さんの活動の根幹には、彼女自身の生まれ育った時代と環境、そして、人との出会いがあります。
「人は成長していく過程で、必ずと言っていいほど大切な出会いを経験するはずです。私自身も、たくさんの方との出会いから学びを得てきました。
前職の先輩の言葉『明るくいて、優しくいて、独りでいて』に感銘を受け、今でも大切に思っています。仕事ができるようになること以前に、人として成長しなさいという意味なのだと受け止めています。」
鳥渕さんが目指すのは、男性も、女性も、誰もが主人公になって活躍できる社会の実現。
そのためには、支えてくれる多くの人たちと良好な関係を築き、相手を尊重したコミュニケーションを図ることが大切だと話してくれました。