粘菌探しは大人も子どももワクワクできる楽しいアクティビティだった!

紀南Good

粘菌探しは大人も子どももワクワクできる楽しいアクティビティだった!

「粘菌」ってご存知でしょうか?
みているだけでなんだかファンタジーな世界に入り込んじゃうような、個性的な見た目をしています。
(どんな見た目かはこちらでどうぞ)
なんだかわからないけど惹かれちゃう!

和歌山県が誇る偉人、南方熊楠が研究していたことでも知られていて、和歌山県民にはやたら粘菌好きが多いように思います。
いつかわたしも自分で粘菌を見つけてみたい、、、と思っていたところに、粘菌探し体験があるとお聞きして、子供たちと一緒に和歌山県白浜町の「南方熊楠記念館」に行ってきました!

なんと、菌ではない??

粘菌は「菌」という名前がついてはいるものの、菌類の仲間とされていたのは過去の話。現在は「アメーバー動物」に属するということがわかっています。英語では「Slime mold」。ネバネバしたカビ、というところでしょうか。

「動物」ですから、食べるし、動く。エサはなんとバクテリア(細菌)。一つ一つの細胞は10ミクロメートルと目に見えませんが、核が分裂して大きな変形体になり、餌を求めて1時間に1cmも動きます。エサがなくなると、胞子を飛ばすために「子実体」という、わたしたちがイメージする「粘菌」の形に。

と、粘菌のお話をわかりやすくお話ししてくださったのは、和歌山県立自然博物館の川上新一先生。
「小学生には難しいかな〜」とおっしゃっていましたが、参加していた小学生たちも興味津々!参加する前に「粘菌ってなに〜?」と何回も聞かれ、なんと答えたらいいのか分からずにいましたが、先生のお話しで、子供たちも納得したようです。(ちなみに長男からは「ねんきんって『年金』だと思ってた!」とベタな反応をいただきました。)

ひととおり、粘菌について学んだら、さっそく粘菌を探しに外へ!

さぁ、粘菌探しに出発だ!

採取に必要な軍手やピンセット、バケツ、ルーペなどは貸し出してもらえたので、私たちが用意したのは長袖・長ズボンと虫よけスプレー、水筒だけです。(ルーペは意外にも使い方が難しくて、最後までうまく使えませんでした。)

南方熊楠記念館は番所山の中にあります。番所山は海と森が一体となった自然豊かな場所。
どんな森の奥に入っていくのだろう、、、とドキドキしていたのですが、、、歩いて1分ほど経った頃、「さぁ、この辺でまず探してみましょう!」と先生。

え〜!こんな近くで??と思いましたが、早速教えていただいたように落ち葉や朽ちた木を探していきます。これがなかなか難しい。研修室で一つ二つのサンプルは見ていたものの、まだよくわかっていない中で探さなければならず、「先に記念館でもっとチェックしておくんだった」と後悔してもすでに遅し。

しかし、しばらくすると、葉っぱに白い点々がついた葉っぱが!
まだ誰も見つけてない!もしや一番乗り?
と思ったのも束の間、「これは、、、カビですね。」とのご返答。
一番乗りなんて考えてたのが恥ずかしい、、、
そそくさと粘菌探しに戻りました。

そうこうしていると、「最初の粘菌が見つかりました〜!」と先生。
え、すごい、本当に見つかるんだ!と安心しつつも、見つからないことにだんだん焦ってきます。
その後も1人、2人と見つかっていきます。

「さぁ、まずは1人1つ見つけましょう〜」という先生の言葉に、元気付けられるやら、焦るやら。

なんとか粘菌を見つけたい!その一心で落ち葉を眺め続けること10分。
ついに発見!なんか小さいキノコのような形の白い物体が、点々と並んでいます。
これは、間違いなくカビではない!と大興奮。

先生に見ていただくと、「これは『シロエノカタホコリ』ですね。」
思わず、やったぁ!と子どもたちとはしゃいでしまいました。

大量のシロエノカタホコリ

そのあとは探すコツがつかめたのか、どんどん見つかります。
ただ見つかるのは「シロエノカタホコリ」ばかり。粘菌がどんなものなのか事前に勉強していなかったのが敗因でした、、、
しかしながら、自分で粘菌を見つけられた、という達成感はしっかり得られました。子どもたちも自分たちで見つけられたという事実に大喜びです。

顕微鏡に大興奮!

45分ほど粘菌探しをしたあと、研修室に。
もうちょっと探したいな〜と思えるような時間配分は、こどもたちにはちょうど良い時間で、ぐずることもなく上機嫌です。

研修室に戻ったあとは、見つかった粘菌を解説していただきました。

その後、今日見つかった粘菌を解説していただきました。なんと10種類も見つかったとのこと。
ナバホネホコリ、シロエノカタホコリ、アクホネホコリ、ジクホコリ、ナミウチツノホコリ、キウツボホコリ、ヒメカタホコリ、コカタホコリ、ツノホコリ、そして先生もわからなかった不明種。

顕微鏡で粘菌を観察すると、ガイドブックにのっているような形状がよくわかり、子どもも大人も大興奮。
最後に気に入った粘菌を小さな箱の「標本」にして持ち帰りました。
採取した場所や名前を書かないと標本の価値がない、ということも教えていただき、しっかりと場所や名前を書き込みました。

自分でみつけた「シロエノカタホコリ」は資料で見たものと全く一緒で興奮しました!
液晶の顕微鏡はまだ覗くのが難しい小さな子でも気軽に見られるのがうれしい。

わたしも子どもも大いに刺激を受けた観察会。
お子さま連れのファミリーもたくさん参加していましたし、大人の方だけで参加されている方もいましたが、全員が楽しそうでした。

ちなみに、たまたま見つけた粘菌が「不明種」でした。先生が言いにくそうに「厚かましいのですが、これ、いただいても、、、」と!!!うちに持って帰っても大事に保管できる自信もなく、もちろん差し上げて帰ってきました。もしかすると新種かも!?というワクワク感はたまりません。スペシャルな体験ができて得した気分でした。

一度体験したら、次は自分でも気軽にできそうな粘菌探し。ぜひ番所山ではじめての体験をしてみてください!

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