白浜がちゃができるまで
2024年8月10日、「白浜がち〜愛情を添えて〜」がはじまった。
近年広まるご当地ガチャの白浜バージョンだ。
コンセプトは「白浜カタチ旅守」。
白浜町のカタチに、白浜町を巡る旅が安全で豊かなものになりますように、という願いを込めて、白浜町のモチーフをキーホルダーにした。
白浜にゆかりがある企業が中学生と一緒に企画
白浜町にはサテライトオフィスが4つある。
その中の一つ、「ANCHOR」を運営するのがOS株式会社だ。
このプロジェクトを牽引した。
言わずと知れた「アドベンチャーワールド」を運営する株式会社アワーズ
白浜町に鉄道でお客さんを運んでくる西日本旅客鉄道株式会社
白浜町にオフィスを構えるIT企業である株式会社スマサポ
同じくANCHORにオフィスを構える株式会社Relic
白浜と東京をつなぐ熊野白浜リゾート空港(南紀白浜空港)を運営する株式会社南紀白浜エアポート
地域でデザインファームを営むTETAU事業協同組合
これら白浜町にゆかりのある7つの企業が集結して、白浜コネクトプロジェクトを結成。
白浜町を盛り上げることが自分ごとである企業たちによってプロジェクトを進めていった。
地域の大人と行われた授業
白浜がちゃの総合プロデュースを行った総勢36名の白浜中学校2年生。
3ヶ月間で12回の授業を行い、商品を作り上げた。
白浜コネクトプロジェクトの各社が授業を担当。
担当以外の授業にも仕事の合間を縫って参加し、子どもたちとの交流を行いながら共に考えた。
商品ラインナップを通じて白浜の魅力を考える
ご当地ガチャをつくるにあたって欠かせないのが「地域の魅力」を知ること。
商品のラインナップを想像しながら地域の魅力を考えてみた。
これが意外にも難しい。ガイドブックに載っているような一般的なことはたくさん出てくるけれど、地元ならではの情報となると意外と出てこない。大人からも「東京に出てはじめて、地元、和歌山のことを知らないことに気づいた」という声が。
地元の魅力を外に伝えるためには、まずは自分たちが地域のことに興味を持ち、知ることが必要だということに気づいたのではないかと思う。
そんな反省もありながら、第一弾となる今回は白浜のスタンダードな観光地をラインナップとすることに決定した。
白浜の未来を考え、線をつないでいく
「なぜ白浜がちゃを実行するのか」
大人たちに準備されて行われる授業では、受け身になってしまうことも多い。
なぜ白浜がちゃを行うのか、ということを考えずに、言われるがままに行うだけでは本気で考えるのは難しい。
そこでどんな白浜になってほしいのか、ということを考え、その未来に向けて白浜がちゃができることを洗い出していった。そうしてこの白浜がちゃを通して未来を作っていくんだ、というイメージを持ってもらった。
企画とは今と未来を線でつなぐこと。
アイディアを点で考えることではない、ということが伝わっていればいいな、と思う。
「売れる」ということはどういうことなのかを考える
自分たちがどんな白浜にしたいかを考えるだけでは、消費者には関係ない。
自分はどんなものだったら購入するだろう、どんなものだったら買って嬉しいだろう、ということを考えた。
そこで出てきたのは「500円以上の価値あるがちゃ」というコンセプト。
中学生が出したコンセプトを、大人たちが手助けし、「白浜のカタチ旅守」というコンセプトにブラッシュアップして、商品が出来上がっていった。
そのような授業をベースにして、商品を企画・販売するのにあたり必要なことを一つずつ考えていった。
授業には白浜コネクトプロジェクトの各企業の特徴が生かされていた。
アドベンチャーワールドで撮影を担当している方との撮影の授業では、はじめての一眼レフで「伝わる写真」を撮影するなんていう授業は絶対に子どもたちの記憶に残り続けるはずだ。
「こんな会社が白浜にあったんだ」「大人って結構楽しそう」
普段出会う機会のない大人たちとの交流も刺激になっていたであろう。
地域の企業の協力により実現
白浜がちゃの特徴は、「白浜町産の木材」が使われているということ。
通常は白浜産の木材だけをより分けることは難しい。
株式会社伸栄木材さんのご協力により、紀州材の中でも白浜町産を使うことができるようになった。
木材の加工は丸紀木材工業株式会社様が担ってくださった。
地元の福祉作業所とも連携し、約1万個の製造や封入作業を行なってくれている。
何度もサンプルを作成し、調整を行ってくれた。
カプセルの中に封入されたミニブックやポスター、がちゃの機械本体の装飾などの印刷を担当してくれたのは、株式会社マージネット。
実現に向けて細かく寄り添ってくださった。
そして、白浜がちゃの設置に協力いただいた4つの施設。
子どもたちの学びを地域の大人たちで広げ、深めていく。
そんな学びを継続するためにも、白浜がちゃが魅力あるものにしていきたいと思う。