訪問による支援について-通信のこのこ令和6年8月号(第5号)

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訪問による支援について-通信のこのこ令和6年8月号(第5号)

センター長あいさつ(藤藪庸一)

終戦の日を迎える8月。
当時を知らない私は、社会の授業で終戦のこと、太平洋戦争のこと、第二次世界大戦のことを学びました。
年齢を重ね、今となっては、小中学生の頃に学んだことは、極々ほんの一部で、その後、様々な体験や本やテレビ番組などで知った情報や知識の方がはるかに多くなりました。

そう考えると教育の重要性が見えてきます。なぜならば、私にとって小中学校の頃の学びが、その後の学びの方向性を決定づけたと思うからです。
先生たちのみならず、両親や両祖父母、近所の大人から受けた影響が、物事を見る目や判断に繋がり、わたしの価値観や生き方を基礎づけています。
小中学生の私は、平和は希求するものであると強く思い考え、そのことを基盤にして、年齢とともに重ねて平和の尊さを学び続けてきました。

日本国憲法前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあります。
日本国民は、主体性を持って平和を築くという信念と理想を決意して、戦後社会を積み上げてきたのです。

今、国際社会から平和が少しずつ遠のいていっているように思ってしまう世界情勢です。
憲法前文に心を熱くし平和への思いを強くするのは、やっぱり幼い頃からの教育の賜物だと思ってしまいます。

訪問による支援について

先月号で、相談業務(のこのこ相談)についてご紹介しました。
今回は、のこのこ相談の一つ、訪問による支援について、もう少し詳しく触れさせて頂きます。

訪問では、相談依頼者の生活や地域の環境も目にします。
私たちは、依頼者の方々を支援の中心に据えます。
思いや考えを最優先に聴かせてもらい、依頼者に寄り添い伴走者を心がけます。
共感性をもって傾聴的・尊敬的・促進的な態度で、問題解決や課題へ取り組むことをお手伝いすることが、状況を改善する大きな要因にもなります。

心の距離の理解も必要です。
ずかずかとした態度で、訪問することは禁物です。
話しぶりや表情・振舞い・雰囲気から、依頼者の思いや考えを受け取りながら、距離を近づけます。

時には、体調の悪い時や気持ちがふさいでいる時、不快な時もあるでしょう。
そんな時には、待つ姿勢を忘れてはいけません。
訪問の度に、依頼者との心の距離を近づけられればと考えます。

同時に、環境や情報をキャッチするアンテナを広げ伸ばしておくことも大切です。
依頼者と、コミュニティや学校等との間に問題があり、距離がある場合…。
なぜ、そうなっているのかを丁寧に聴かせてもらいます 。
依頼者が問題と深く向かい合う機会となり、考えが整理でき、新たな考え方が生まれたり、関係改善や問題解決のヒントが見えてきたりします。

私たちは、依頼者の内面への支援に目を向けるとともに、依頼者を支える社会や福祉の資源とつなげることも大切な役割です。
訪問を通して、包括的に依頼者の状況が改善に向かうことを支援していきます。

難しいことですが、例えば、子育てに悩む親御さんへの訪問がうまく進みだすと、少しずつ親子の関係が変わってきます。
そのことで、依頼者である親御さんから私たちが信頼を得ると、お子さんに関わることを求められ、お子さんと私たちの間でよい関係が生まれてきたりします。
結果、その子どもさんに何らかの働き掛けができる機会につながっていきます。

ただし、一機関だけで、本人や家庭を抱えるとよくありません。
訪問を重ねると、他機関による支援の必要性も見える場合があります。
そうなれば、依頼者に承諾を得て、他機関との同行訪問や連携によって、専門性を生かせる多角的多面的な支援に発展させます。

例えば、学校の家庭訪問や関わりが、より発展的にうまくいくようになった例もあります。
時には危機介入的な訪問も生じます。
その時は、関係性がマイナスからスタートする場合もあります。
しかしながら、共感性をもって傾聴的・尊敬的・促進的に、目の前の方を中心に関わることで、状況は改善されると考えます。

訪問支援は、難しさがたくさんありますが、それだけに有効な活動であると考えます。

のこのこ心理士からのメッセージ お子さんのストレスサインに気づいてあげたい

長期休暇明けは、大人もしんどさを口にしやすい時期です。
しかし、子どもたちはしんどさを言語化するがの苦手です。
そこで、サインとしてあらわれる「しんどさ」を周囲の大人が感じ取ってあげることをこころがけたいです。

子どもたちは、気持ちや考えを言葉にすることには、難しいことが多々あります。
無理に話をさせず、「なんかしんどそうにみえたよ」「いつでも話聞くから」と気にかけていること、変化を見ていることを伝えておくことが大切です。

ストレスサイン(SOS反応)は子どもによって一人ひとり異なります。
しんどい時、疲れている時にどういうサインを出すか?反応が出やすいタイプなのか?あるいは反応を出さないタイプなのか?といったところを日頃から見ておく意識。
また、お子さんと一緒に振り返ったり、考えたりしておくことも効果的です。
下にストレスサインの例を示していますので参考にしてください。

夏休み明けの前後で気になる様子が見られた際は、お子さんに普段とは違う様子のように感じることを伝え、話を聞いてみます。
9月になると夏の疲れが出てきたり、季節の変わり目から「秋バテ」になったりと心身の不調もあらわれやすくなります。

お忙しいと思いますが、家庭では家族でちょっとしたひと息、リラックスすることを意識していただければと思います。
気になることがあれば学校や信頼できる人に相談してみる。そのような意識をもっておいてくださるとありがたいです。

子どものストレスサインの例

【からだにあらわれるサイン】

・おなか・頭が痛い、熱がある、などの体調不良
・食欲がない
・眠れない
・起きられない
・おねしょがぶり返す
・表情が暗く気分が晴れない
・だるい
・元気がでない など

【行動や態度にあらわれるサイン】

・やる気がみえない
・ぼーっとしていることが多い
・普段より行動がゆっくり
・好きなことにも取り組まない
・すぐに泣く
・いつもより甘えてくる
・イライラしている
・口数が減る/増える など

のこのこ相談連絡先

メール nokonokojikasen@gmail.com
LINE くまのっ子のこのこ
電話 0739-45-8818

知ろう、考えよう 子どもの福祉その⑩「こども家庭センター」③

いっしょに学びませんか

通信6月号から「こども家庭センター」について学んでいます。

「こども家庭センター」は、妊産婦や子どもの保護相談や生活支援を行う施設です。
従来の「子育て世代包括支援センター」と「市区町村子ども家庭総合支援拠点」の機能を引き続き活かしながら、一体的な組織として子育て家庭に対する相談支援を提供してくれます。

今回は、その業務内容について知りたいと思います。
資料は、2024年4月1日に国が公表した「こども家庭センターガイドライン」を参考にしています。

2.こども家庭センターの業務

ガイドラインには、以下の業務が示されていました。

(1) 地域のすべての妊産婦・子育て家庭に対する支援業務

①状況・実情の把握
②母子保健・児童福祉に係る情報の提供
③相談等への対応、必要な連絡調整
④健診等の母子保健事業(※こども家庭センターで実施するかは任意) ・・・等

(2)支援が必要な妊産婦や子育て家庭への支援業務

①相談、通告の受付等
②支援対象者(妊産婦・保護者・こども)との関係構築
③合同ケース会議の開催
④サポートプラン(又は支援計画等)の策定、評価、更新等
⑤サポートプラン(又は支援計画等)に基づく支援 ・・・等

(3)地域における体制づくり

①地域全体のニーズ・既存の地域資源の把握
②新たな担い手の発掘・育成、地域資源の開拓
③関係機関の連携の強化 ・・・等

(4)改正児童福祉法において市町村が行う業務として位置づけられている事業のうち、こども家庭センターで担うことが効果的と考えられる以下の業務について併せて行うことが望ましい

①要保護児童対策地域協議会の調整機関としての業務
②地域子育て相談機関の整備に係る業務
③家庭支援事業の利用勧奨・措置に係る業務
④在宅指導措置の受託に係る業務  ・・・・等

ママと子ども(赤ちゃん)のほっとスペース のこのこ子ども(赤ちゃん)食堂

開催日 *今回のみ第4月曜日開催となります

令和6年9月30日(月) 11時~12時ごろ
※食堂のみの開催となります。広場はありません。
※利用料:大人の方のみ100円

開催場所

白浜バプテストキリスト教会
白浜町3137-9
※駐車場は白浜はまゆう病院様の駐車場になります。

子育ての悩みや離乳食の悩み相談もできます。
みんなで楽しくおしゃべりしながらリフレッシュできる時間を過ごしませんか。

ご予約はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdU5viaeXWrJgvLn3IuvgLpF7mKBNu64VHCTYOTUZCT_LIkrg/viewform

くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ

和歌山県西牟婁郡白浜町中1700-2 クオリティソフト株式会社 東館2階
TEL/FAX 0739-45-8818
E-mail nokonokojikasen@gmail.com
Instagram https://www.instagram.com/jikasennokonoko/?igsh=bWduOHN0dXIyOXA5