食べる力を豊かに育む 離乳期からの楽しい食事 – 通信のこのこ令和6年9月号(第6号)

みんなにおたよりプロジェクト

食べる力を豊かに育む 離乳期からの楽しい食事 – 通信のこのこ令和6年9月号(第6号)

センター長あいさつ(藤藪庸一)

1999年に白浜バプテスト基督教会の牧師になり、同時に三段壁いのちの電話の活動を継いでから25年、社会復帰を目指す方の支援を続けてきました。
その経験から、つくづく思うことがあります。
それは、本人が変化していくことの大事さです。
いくら周囲が変わっても、本人に変化がなければ、整えられた環境も周りとの関係性も長続きしないことが多いのです。

しかし、変化を求めようとする意思を本人自身が「温めること」は、非常に難しい状況があります。
昨今の社会状況や風潮では、せっかく本人の変化するチャンスが生じても、第三者機関が、「温めること」に対して支援や介入をするには様々な障壁が生じてしまいます。
支援の現場では、この障壁が存在することで、「今、ここで」のタイムリーな関わりの必要性がわかっていても、断念させてしまう現状があります。
関わりたくても関わりきれないというやるせない現状です。

今回、このことに触れたのは、いのちをぎりぎりのところで支え、社会復帰を手助けする現場で働く者の率直な感想を少しでも多くの人に知ってもらいたかったからです。
この社会の流れを押し返すための小さな波紋を広げていく一石になればと思っているからです。

教育現場、福祉現場、関係各機関のみなさま、ちょっと立ち止まって、支援に対する「障壁」について、みなさまの現場で考えてもらえたら幸いです。

のこのこ相談連絡先

メール nokonokojikasen@gmail.com
LINE くまのっ子のこのこ
電話 0739-45-8818

食べる力を豊かに育む 離乳期からの楽しい食事

近年、子どもの食をめぐっては、問題は多様化・深刻化し、生涯にわたる健康への影響が懸念されています。
家庭や社会の中で、子ども一人ひとりの「食べる力」を豊かに育むための支援づくりを進める必要性が求められています。
今月号では、特集記事として「離乳期の食」について取り上げます。

食事を楽しくするポイント

生後5か月を過ぎると離乳食期の始まりです。
離乳食は柔らかくしたり、ドロドロに潰したり、徐々に色んな食品に挑戦していくことを考えたり・・。
大変手間や時間のかかることです。
赤ちゃんのために毎日用意されているおうちの方、本当にご苦労さまです。
そうやって手間暇かけて用意したご飯も、なかなか食べてはくれないこともありますね。
そんな時はがっかりしたり、心配したり、色んな感情が湧き出てくるものです。
けれども、食事の時間は楽しいことが一番のスパイスになります。
赤ちゃんとの食事の時間を楽しくするポイントまとめてみました。

赤ちゃんとの食事の時間を楽しくするポイント

【ポイント①】にこやかな表情

何よりも食事のお世話をしてくれる大人のにこやかな表情が、食事時間を楽しいものにします。
◎見た目や味、子どもの行動について、言葉にして伝える。
例:「にんじん、きれいなオレンジ色だね。おいしそうだね。」
子どもの表情に合わせて「甘くておいしいね」「ん~すっぱいね!」「上手にカミカミしたね」 等、食感のあるものを食べる年齢になると、「コリコリ・カリカリ」などの口の中で感じる音を言葉にして楽しむのも良いですね。
まだしゃべらない子どもでも、表情豊かに話しかけることで、だんだん言葉の意味を理します。
コミュニケーションをとりながらの食事の時間は子どもにとって楽しい時間になります。

【ポイント②】大人と一緒に食事をする

子どもは真似をする名人です。
大人がおいしそうに食事をしている様子を見ると、子どもの食欲も増してきます。

【ポイント③】手づかみで自分で食べる

食べたいという意欲の表れです。
褒めて見守ってあげましょう。

【ポイント④】食べこぼしても掃除が 楽になるような準備をしておく

食べこぼしをすぐに拭けるよう、雑巾やごみ箱等セットで用意しておくと良いですね。
赤ちゃんが食べる場所に専用のシートを敷いておくと掃除も楽になり、食べこぼしにもおおらかになれるかも。

手づかみ食べはなぜ良いのか

以下の理由からです。
〇手づかみ食べを通して食材の感触を知ることができます。
〇自分の意志でつかむ。手づかみ食べは、「これを食べてみよう!」という自発的な行動です。
〇目・手・口を同時に使う作業です。最初はうまく口に入れられなかったり、詰め込みすぎたりしますが、上手になってくると一口の量を自分で調整できるようになります。
大人は詰め込みすぎないよう、見守ってあげましょう。
一歳頃からは手づかみ食べと並行してスプーンやフォークにも挑戦し始められます。

子どもが好き嫌いをする

どうしても嫌がって食べない場合は無理に食べさせないでおきましょう。
食事の時間が楽しいものではなくなってしまいます。
食事の中で好んで食べられる食品を少し多めに食べるようにすると、次の食事までお腹をすかせることなく過ごせます。

偏食対策のポイントとしては、苦手なものでも、たまには子どものお皿にも登場させましょう。
苦手食材が全く姿を見せない存在にしてしまわず、食卓で大人がおいしそうに食べる姿を見せてあげてください。

食べるのを嫌がる原因は?

お子さんにとって、大きさや形、固さが発達に合っていない場合があります。

その他にも、その食品に対してアレルギーがある場合もあります。
その場合、口の中がイガイガするなどの違和感があると嫌がります。
毎回同じ食品を口に入れた後、口内に違和感があるような仕草が続く場合は、小児科を受診してみるの
も良いと思います。

食事全般を嫌がる場合は、スプーンやフォークなどの道具が口にそぐわないことも考えられます。

環境を整える

また、食事をする環境を整えることも大切です。「ながら食べ」は食事に集中できません。
例えば大好きなおもちゃが近くに見えている状態だと、遊びを優先したくなり、落ち着いて食事ができないこともあります。
歩き食べもお行儀が悪いという以前に窒息などの危険を伴います。

食事の時間と遊びの時間をきちんと切り離し、メリハリを持たせられるといいですね。
時間を区切ることで次の食事のタイミングにはお腹が空き、しっかりと食べてくれるかもしれません。

五感をフルに使う作業

「お腹を満たす」「栄養をとり、健やかな成長を助ける」「命の源」が食事です。
しかし、それだけではありません。食事をするということは、人間の五感をフルに使った作業になります。
五感とは「視覚」「触覚」「聴覚」「臭覚」「味覚」の五つの感覚をいいます。
食事の際に使う五感は次のようなものでしょうか・・・。
視覚…食事の形や彩などを見る
触覚…食べ物を触り、感触を知る。口唇で食べ物に触れ、舌で舐めるまたは歯で噛むことでその食物の特質を判断する。
聴覚…調理中の音、噛んだ時の音などを聞く
臭覚…調理中に漂ってくる匂いや、料理の匂いをかぐ
味覚…料理を味わう 甘未、酸味、塩味、苦味、うま味を感じる

食事を通して感性が育つ

五感をフルに使って育つことは、感性豊かな子どもが育つということにつながります。
食事においての感性は食そのものや、その食べ物の成り立ちに興味を持つことにつながるかもしれません。
もちろんすでに実践していらっしゃる方も多いと思います。
特別ではない毎日の食卓。
親子の会話を楽しみながら、感覚を研ぎ澄ます時間を意識してみるのも面白いものです。
徐々にそれが自然な毎日になっていくことでしょう。

赤ちゃん食堂に参加しませんか

のこのこでは誰もが参加できる子ども赤ちゃん食堂を月に一度のペースで開催しています。
詳しくは、下記をご覧ください。

ママと子ども(赤ちゃん)のほっとスペース のこのこ子ども(赤ちゃん)食堂

開催日

令和6年9月30日(月) 11時~12時ごろ
令和6年10月21日(月) 11時~12時ごろ
※食堂のみの開催となります。広場はありません。
※利用料:大人の方のみ100円

開催場所

白浜バプテストキリスト教会
白浜町3137-9
※駐車場は白浜はまゆう病院様の駐車場になります。

子育ての悩みや離乳食の悩み相談もできます。
みんなで楽しくおしゃべりしながらリフレッシュできる時間を過ごしませんか。

ご予約はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdU5viaeXWrJgvLn3IuvgLpF7mKBNu64VHCTYOTUZCT_LIkrg/viewform

知ろう、考えよう 子どもの福祉 その⑪ 「こども家庭センター」④

いっしょに学びませんか

通信6月号から「こども家庭センター」について学んでいます。
今回は関係機関との連携についてです。
資料は、2024年4月1日に国が公表した「こども家庭センターガイドライン」を参考にしています。

関係機関との連携の重要性
〇 センターにおいては、地域のすべての妊産婦・子育て家庭に対する支援業務を担うことから、地域において母子保健や子育て支援に携わっている関係者との連携が欠かせません。
さらに、自らの支援ニーズに気付いていない家庭、また支援の手続きを行うことが困難な家庭、自ら支援を求めることに困難を抱える家庭などをできる限り早期に発見・把握し、支援につなげていくためには、センターの母子保健機能・児童福祉機能を限定的に捉えることなく、妊産婦・子育て家庭と接点を有し得る多様な関係機関(民間主体を含む)との日常的な連携関係を構築していくことが必要であると示されています。

関係機関との連携の推進及び支援体制の構築
〇 子育て支援施策・支援等の担当者や関係機関と、顔の見える関係性・信頼関係を築き、気になるこども・家庭があった場合の相談先としての相互の連絡窓口(担当者・連絡先等)を明確にすること等により、支援を必要とするこども・家庭の情報が速やかに共有され、共に連携して当該こども・家庭を支えていくことができる体制を整えることが重要であるとされています。
〇 要対協の場を活用し、日常的な情報共有が必要な関係機関を要対協の構成員としてあらかじめ位置づけておくことが情報共有の円滑化の工夫として効果的と考えられます。
支援を必要とするこども・家庭に関する情報が集まり、ともに連携して継続的に支援していく協力体制をつくっていくことが重要となっています。
※のこのこも関係機関として、こども家庭センターとの連携の重要性をしっかり理解し、地域の支援体制の構築に資することができるように努めなければなりません。

くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ

和歌山県西牟婁郡白浜町中1700-2 クオリティソフト株式会社 東館2階
TEL/FAX 0739-45-8818
E-mail nokonokojikasen@gmail.com
Instagram https://www.instagram.com/jikasennokonoko/?igsh=bWduOHN0dXIyOXA5