特集 子ども理解「思春期」を支えたい– 通信のこのこ令和6年12月号(第9号)

みんなにおたよりプロジェクト

特集 子ども理解「思春期」を支えたい– 通信のこのこ令和6年12月号(第9号)

センター長あいさつ(藤藪庸一)

2019年12月4日アフガニスタンで中村医師が凶弾に倒れて、以来5年・・・。
年の瀬を迎えると思いだします。
昨年度の通信12月号でも彼のことに触れました。

アフガニスタンでは、タリバンが政権を握り、以後、各地で中村医師の肖像画が消されました。
しかし、彼が掘り始めた用水路は、後を継いだ者たちや現地の人たちの手によって今もなお、掘り進められ、そして利用されています。
現地の人たちが自分たちでできる工法で造られた用水路は、メンテナンスも住民が自分たちでできるからです。
「これぞ、NGO活動のお手本」ともいうべき賜物です。

改めて、中村医師と彼が結成したパキスタンやアフガニスタンで活動する国際NGO・NPO団体であるペシャワール会の活動は、「支援とは何か」を私たちに見せてくれ、教えてくれていると思います。

人が人を支援するときに、完璧な支援なんてありません。
むしろ、不十分が当然です。
しかし、絶対にしてはいけない仕方はあります。
それは、「本人(当事者)に何もさせない過干渉過ぎる支援」と「途中で責任を放棄し関わらなくなる支援」です。

2024年もあと一か月を切りました。
この一年の活動を振り返って、反省と課題を明確にして、2025年はさらに良い支援活動を展開していけるようになりたいと思っています。
本年もありがとうございました。
よいお年をお迎えください。

特集 子ども理解「思春期」を支えたい

思春期は子どもから大人へと心身が移り変わっていく、成長する時期です。
この時期の変化が大きいことから「疾風怒濤」「嵐」の時期と表現されます。
家族や周囲のみなさんにとって、目の前のお子さんが、変わっていき、その変化にとまどってしまうことも、しばしばでしょう。
今月号は、「思春期」の時期と関わり方について、のこのこ心理士がおおまかではありますが、取り上げてみます。

現代は思春期の始まりが早くなり、これまでに比べて思春期が長期間に渡ると言われています。
からだの成長・発育が早くなっている傾向と社会的に自立する年齢が遅くなっているといったことが影響しているようです。
からだとこころの成長、成熟の差が大きいため、思春期を生きている子どもたちの混乱や不安も想像以上に大きくなっていることが考えられます。

また、子どもたちが生きている世界は多種多様になってきており、子どもたち自身はもちろん、かかわる側も「わからない」ことが増えてきているように思います。
「わからない」の一例として、ここ最近の子どもたちの傾向として、『感情が出せない』ではなく、『感情がわからない』と、自身の感情を把握できなくなっていることも多いと言われています。

そういった中で、子どもたちとかかわる上で大事なのは、「わからない」「知らない」に目を向け、「わかろう」と「理解しよう」とする姿勢でかかわること、話をきくことです。
これがまた、なかなか難しいことです。

嵐の時代を生きている子どもたちにとって、「この人はわかってくれる」「少なくともわかってくれようとしている」存在に出会えるかどうか。
認めてもらえたという他者とのつながりを体験できるかどうか。
このことが子どもたちの成長や変化、主体性の獲得に重要であり、これからを生きる支えとなります。

変化は劇的な一瞬ではなく、地味な時間、関係の積み重ねで起こるものです。
様々な「わからない」を生きる子どもたちを見守り、支え続ける。
そのためにも、かかわる側の大人もまた、「支えられる」「話をきいてもらう」「つながる」といったネットワークや絆づくりが非常に大切であると考えられます。

センター建物遠景

お子さんが豊かで有意義 な冬休みを迎えられるように・・・

子どもたちはもうすぐ冬休みになります。
冬休みは夏休みに比べ、日数は少ないですが、クリスマスやお正月、楽しい行事が続きます。

反面、遅寝遅起きになりやすく、寒いため、運動も減るといったように、生活リズムが崩れやすい時期です。そうなると冬休み明けに、日常の生活に戻るのが難しくなるお子さんも出てきます。

そこで、豊かで有意義な冬休みになるように、お子さんも保護者のみなさまも、こころがけてほしいことを示してみましょう。

生活リズムが心身の健康に繋がる

文科省の調査やいくつもの研究によると、こころの健康度が低い人は生活習慣が崩れがちで、逆にこころの健康度が高い人は生活習慣が整っているといった関連性が示されています。

「朝食を食べない」「就寝時間が遅い」「家族とのかかわり、会話がない」「体育の授業以外に体を動かしていない」など生活習慣が崩れていると回答した小中学生のほうが、精神面が不安定になりやすい傾向にあります。

思春期において生活リズムを整えることは非常に重要なことです。
生活リズムを整えることで、身体的な抵抗力が高まり、不安感やストレス度が減少し、心身の安定に繋がります。

毎日できることから少しずつ

まずは早起きから

早く寝るのはもちろんですが、冬は過眠も生活リズムを崩す要因になります。
決まった時間に起きることで、就寝時間も整いやすく、睡眠の質も上がります。
朝太陽の光を浴びることも心身の健康には大事なため、早起きを心がけていただきたいです。

からだを動かしましょう

運動にはメリットが多くあります。
例えば、「集中力、判断力、記憶力など脳機能がアップ」、「疲労回復が進み、睡眠が深くなる」、「モチベーションが上がる」、「ストレス発散、気分の安定効果」、「免疫力アップ」などがあげられます。

運動は「めんどう」「する時間がない」と考えがちですが、本格的な運動の必要はありません。
『早歩き』『立ったついでにスクワット』など日頃の行動、『掃除』や『部屋の片付け』などでも十分です。

年末の大掃除もかねて、お子さんと一緒にからだを動かしてみるのも良いかもしれませんね。

保護者のみなさまへ

冬は大人も、四季の中でも特に自律神経が乱れやすく、気分の落ち込みや疲労感や不安感などが大きくなりがちです。
年末年始も忙しいことが多く、ゆっくりする暇もないかと思います。
そのような状況でもこまめに一息つくこと、心身のケアを意識することが大切です。
保護者のみなさんの健康維持も、子供たちの豊かで有意義な冬休みを迎えるにあたって、大切なことになります。

『くび』を温めましょう

自律神経を整えるために、『くび』を温めることが効果的です。
からだににある『くび』【首、手首、足首、くびれ(お腹))】の4つを意識して温めることで冷えの対策になり、リラックス効果や気分の安定にも繋がります。

自分に合った『3つのR』を

セルフケアの基本として、ストレス対処の『3つのR』というものがあります。

Rest(レスト):休息、休養、睡眠
Recreation(レクリエーション):運動、趣味、気晴らし
Relax(リラックス):ストレッチ、音楽、家族や友人との会話など

自分に合った『3つのR』を意識的に取り入れて、セルフケアを心がけてもらえればと思います。

また、セルフケアは自分一人だけで行うものではなく、誰かに相談する、話を聞いてもらうこともが大変有効です。

どうか、悩みや不安を一人で抱え込みすぎないようにしてください。

知ろう、考えよう 子どもと学校  その1「子どもの意味を検索しました」

いっしょに学びませんか

前回までは、「子どもと福祉」のタイトルで創刊以来13回、子供福祉を取り上げてきました。
今回からは、「子どもと学校」と新しいタイトルをつけて、子どもたちを取り巻くさまざまな話題や学校について取り上げて学んでいきます。

第1回目として、あまりにも当たり前に日ごろ使っている「子ども(子供)」という言葉から学んでいこうと思い、スマホで検索してみました。

「子供」とは、デジタル大辞泉(小学館)によると、一番目の意味として、「年のいかない幼い者。児童。小児。わらべ。反対語は大人」と書かれており、次いで、「親がもうけた子。娘や息子」、「動物などの子」、「行動などが遅く、思慮の足らないもの」、最後に「目下の若い人々に親しく呼びかける語」と出てきました。

「大人」という存在に対して、そうではないものとして「子供」が存在し、しかも未熟な存在としての意味合いがこめられていることがわかりました。

また、表記の使い方の違いの説明が、いくつかのサイトでありましたが、「そうだな」と思ったのは・・・、
子供…公用文や報道関係で原則使われている。文部科学省の表記も「子供」でした。
子ども・・・差別的な要素を排除するために生まれた書き方だそうですが、今日、一般的にはよく見られます。
こども・・・子どもをさらに柔らかくした表現のようです。

次回から、少しずつ学びを進めていきます。

ママと子ども(赤ちゃん)のほっとスペース のこのこ子ども(赤ちゃん)食堂

開催日

令和6年 12月16日(月) 11時~12時ごろ
令和7年 1月20日(月) 11時~12時ごろ

※食堂のみの開催となります。広場はありません。
利用料:大人の方のみ100円

開催場所

白浜バプテストキリスト教会
白浜町3137-9
※駐車場は白浜はまゆう病院様の駐車場になります。

育児の悩みや離乳食の悩み相談もできます。
みんなで楽しくおしゃべりしながらリフレッシュできる時間を過ごしませんか。
是非お待ちしております。

ご予約はこちらから

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdU5viaeXWrJgvLn3IuvgLpF7mKBNu64VHCTYOTUZCT_LIkrg/closedform

くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ

和歌山県西牟婁郡白浜町中1700-2 クオリティソフト株式会社 東館2階
TEL/FAX 0739-45-8818
E-mail nokonokojikasen@gmail.com
Instagram https://www.instagram.com/jikasennokonoko/?igsh=bWduOHN0dXIyOXA5