センター、移転しました – 通信のこのこ令和7年4月号(第1号)

みんなにおたよりプロジェクト

センター、移転しました – 通信のこのこ令和7年4月号(第1号)

センター長あいさつ(藤藪庸一)

陽春の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
新年度もよろしくお願いします。
年度当初の巻頭言にお付き合いください。

本来、親子関係においては、全面的に受け入れる愛と厳しく指導する愛が共存しています。
この二つの愛で、親はわが子との信頼関係を構築し、教育していきます。
学校教育も同様でした。
しかし、社会は、成長を促す厳しさを、愛とは受け取らない風潮が広がっています。「ありのまま」の、その人を受け入れることが愛だと考えている人が増えているようです。

先日、大手人材関連企業の方と話す機会がありました。
多くの人材を企業へ紹介する中で、学ぶ姿勢のない若者の増加を憂えていました。
挨拶や報連相といった社会人として最低限のスキルがない場合、採用側は不採用と判断する現実もあるようです。
採用後に関わる(教育する)ことは、会社にとってハラスメントのリスクを伴うからです。
よって、社会人としての最低限を学んでいることが採用の前提だそうです。

この現実を「なぜ?」と考えてしまいます。
「その人らしく生きられればいい」と、できるできないも個性と捉え、それを多様性と認めることがよしとされ、受け入れる愛の側面だけが強調されています。
反面である厳しさの愛の側面を与えられていない、社会人として通用する基本的な力を身につけていない若者を、企業が拒否するという現実もあります。
ただし、近々到来する深刻な人手不足に陥れば、企業は人選する余裕もなくなります。
そうなると・・・。

社会の風潮が偏っているなかで起こっている現状と今後の情況。
教育や福祉に携わる者としては、関わる「勇気」こそが必要になる時代だと思います。

7年度もよろしくおねがいします

令和7年度がスタートしました。
「くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ」も、3年目を迎えることになります。
みなさまのお力に少しでもなることができるように取り組みますのでよろしくお願いします。

センター、移転しました

先月号でお知らせしましたように、令和7年4月1日より、下記住所にセンターを移転しました。
新センターは、白浜レスキューネットワークが運営する「お弁当お惣菜のテイクアウトとデリバリーの店、まちなかキッチン」のビルになります。

電話番号、メールアドレス等は今までのままです。
自動車で来所された方は、道路を挟んだパチンコ店様の駐車場に置かせてもらえるようになっています。
ビルの1階がまちなかキッチンで、向かって右側に階段がありますので、2階に上がっていただくとセンター玄関になります。

センター業務内容

本年度もセンターのスタッフは、センター長と常勤の職員が3名(精神保健福祉士・社会福祉士・元教員、各1名)と非常勤の職員が4名(臨床心理士3名と保育士1名)の計8名の体制で運営しています。
相談と支援が業務の中心であり、来所による場合とこちらから訪問する場合があります。
本人、家族(保護者以外の方でも大丈夫です)、地域の方、学校・福祉関係者等、多岐にわたっています。
加えて、学校や教育委員会、要保護児童対策地域協議会、関係機関等のケース会議にも出席します。

相談と支援以外の業務としては、乳幼児と保護者の方々の集いの場としての「のこのこ広場(のこのこ食堂・親子広場・親子リトミック・のびのびリトミック)」があります。
レスキューネットワークの事務所のある白浜バプテストキリスト教会を会場にします。
登校が難しい児童生徒対象の学習支援である「のこのこルーム」はセンターで実施します。

また、市町村の乳幼児健診に出席させてもらっています。
他にも、昨年度はできなかった児童家庭支援に関わる講演会等も今年度は実施予定です。
加えて、学校や関係機関の講師依頼にも応えています。

【新事務所住所と開所時間】

〒649-2211
西牟婁郡白浜町3300-19-2F
平日9:00~17:45

児童家庭支援センターとは?

(全国児童家庭支援センター協議会WEBページより引用)
児童家庭支援センターとは、1997(平成9)年の児童福祉法改正によって新たに制度化された児童家庭福祉に関する地域相談機関であり、2024(令和6)年4月6日現在、全国182センターが協議会に加盟しています。

事業内容としては、
①児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じる
②市町村の求めに応じ、技術的助言その他必要な援助を行う
③児童相談所において、施設入所までは要しないが要保護性がある児童、施設を退所後間もない児童等、継続的な指導措置が必要であると判断された児童及びその家庭について、指導措置を受託して指導を行う
④里親及びファミリーホームからの相談に応ずる等、必要な支援を行う
⑤児童相談所、市町村、里親、児童福祉施設、要保護児童対策地域協議会、民生委員、学校等との連絡調整を行う、とされています。

現在、多くの児童家庭支援センターでは、児童虐待の発生予防や親子関係の再構築支援(家族支援)、心のダメージの回復を目指した専門的ケアを実施しており、併せて家族全体が抱える問題とその急激な変化に寄り添い続ける伴走型支援や一人一人の成長に合わせた息の長いアフターケア(自立支援)を実践しています。

のこのこ相談連絡先

メール nokonokojikasen@gmail.com
LINE くまのっ子のこのこ
電話 0739-45-8818

知ろう、考えよう 子どもと学校その4 「子どもの発達段階とは」➂

いっしょに学びませんか

前回からは、子どもの発達段階という用語に注目しています。今回は、文部科学省のとらえ方で
学童期後期(小学校高学年、9歳から12歳)について、学んでいきたいと思います。
【参考】https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/shiryo/attach/1282789.htm

学童期後期(小学校高学年9歳~12歳)

9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになります。
対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となります。
自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著です(いわゆる「9歳の壁」)。
身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期ですが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもあります。

また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られます。
現在の我が国における小学校高学年の時期における子育ての課題としては、インターネット等を通じた擬似的・間接的な体験が増加する反面、人やもの、自然に直接触れるという体験活動の機会の減少があげられます。

これらを踏まえて、小学校高学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題としては、以下があげられます。
◆抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解自己肯定感の育成
◆自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
◆集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
◆体験活動の実施など実社会 への興味・関心を持つきっかけづくり

くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ

和歌山県西牟婁郡白浜町3300-19-2F
TEL/FAX 0739-45-8818
E-mail nokonokojikasen@gmail.com
Instagram https://www.instagram.com/jikasennokonoko/?igsh=bWduOHN0dXIyOXA5