テレワークを通して誰かの力に。画面の向こうの応援係!

家ではたらくカレッジ

テレワークを通して誰かの力に。画面の向こうの応援係!

「徳之島(奄美群島)の実家から見える景色なんです。いつかここでテレワークをしながら、この眺めを自慢できたらなと思って」

少しはにかみながらお話しくださった伊田さん。
この絶景に囲まれてのお仕事とは、なんとも羨ましい!
こんな夢を描けるのも、テレワークならではの醍醐味です。

人と人が助け合い、つながりを大切にして生きていくー
そんな「結(ゆい)の精神」が今も息づく徳之島。

伊田さんとはまだ対面でお会いしたことがありません。けれども、画面越しやテキストでのやり取りで伝わってくる、包み込んでもらえるような温かさはきっと、この雄大な自然と人のつながりの中で育まれたものなのだと感じました。

現在は、BPOディレクターや、若者たちの支援、デザインの勉強をしながら、コンペなどにも挑戦するマルチワーカー。自らを「勝手にいろいろ応援係ですね!」という伊田さんに、テレワーカーとしての働き方について、お話を伺いました。

人見知りの私が、テレワークで見つけた自分らしい働き方

「前職で働いていたときは、子どもが病気になったときなど、休みをもらうのがしんどくて。迷惑かけるんちゃうかなとか、いろいろ考えてしまっていました。人見知りな性格もあり、家で働けたらいいなと思い、ちょうどフリーペーパーで見かけた『テレワークフェア』に参加しました」
一日限りのフェアでしたが、テレワークという働き方を知り、実際クラウドワークスに登録をしてみたそうです。しかし一人ではどう進めていいか分からず、立ち止まってしまっていたとのこと。
パソコンを使うことに興味はあったものの、いざ始めてみると分からないことばかり。「インストールとダウンロードの違いって何?」「Chromeって何?」と、最初は検索サイトで質問しながら習得していったそうです。
3年後に『家ではたらくカレッジ』を受講し、約半年かけて学んでいくなかで、徐々にお仕事に繋げていくことができました。

「テレワークでいちばん頑張ったことは、オンラインで顔を出すこと。今でもまだ全然慣れませんけどね(笑)」
このインタビューもオンライン。お互い人見知り同士、伊田さんも同じ気持ちなんだと思うと、ちょっと安心しました。

「文字だけでのコミュニケーションも、難しいです。冷たく感じとられないように、顔文字を使っちゃったりもします。ビジネスではダメなのかもしれないですけどね」
いろいろな人がいる中で、それぞれの捉え方があり、価値観も違うので難しい。ですが、こんなふうに芯をもってお仕事されている姿が、とても素敵だなと思いました。
私も伊田さんから届く温かなテキストメッセージに、いつも支えてもらっている一人です。

これまで関心のあったことが、テレワークをしながら繋がっていく

徳之島で高校を卒業後、大分の短大で保育士資格を取得。
養護施設や乳児院に関心があり、学習支援などのボランティア活動をされていたそうです。
「子どもが好きだったんです」という伊田さん。
小学6年生から28歳まで、4人のお子さんのお母さんでもあります。

現在、TETAUで行う若者支援の活動にも参加。
「普段から子どもに関連するニュースなどを見るとモヤモヤとしていました。障害、ヤングケアラー、貧困、ひきこもりなど、色々なハンデを抱えて、社会と繋がれず孤独な子たちもたくさんいる現状を知りました。そんな子たちが誰かと関わることで、変わることもあるのではと思っています」

10代から30代の自分らしい働き方や生き方を見つけようとする若者に、さまざまな体験を通して、いろいろな生き方や選択肢があることを知ってもらう活動を行っています。
「若い世代の子たちが、BPOでもなんでもいいから、ご機嫌で生きてくれたら。フォローした子が動き出してくれたら、未来が明るいと思ってくれたらいい」という思いに感銘を受け、伊田さんも昨年からこの活動に参加。ご自身がテレワークを始めてみて、この働き方はそんな子たちに最適だと思われたそうです。

「ちょうど子どもと同じ世代の子たちなので、かわいいですね。最初はできないからと一緒にやっていた子が、チャットでスタンプを一つ押せただけでも、『押せたんや!』と、うれしくなります。『一緒にがんばろう』って感じで、応援係をさせてもらっています」

これまで関心のあった子育てのことや、やってみたいなと気になっていたこと。それらが今、テレワークを通してどんどんと繋がっていっているそうです。
「人見知りだけれど、お節介。『がんばれ〜』って、みんなに念を送っているんですよ(笑)」

ほっと一息つける場をつくっていきたい

テレワークという働き方を知った後、3年ほど経ってから本格的に働き始めた伊田さん。
これからテレワークを始めたいと思っている方に、アドバイスをいただきました。

「私はなかなか始められず、期間を置いていた時間がもったいなかったなと思っています。もう少し早くから始めていたら、もっといろいろチャレンジできてたんちゃうかなと。でもきっと、タイミングもあったのかなとも思いますね」

「投げ出す」ではなく、「置いておく」。
「今はやりたくないな」と思ったらお休みして、また始めてもいい。
こんなふうに気軽に始められることも、テレワークのよさだと改めて感じました。

「介護や子育てなどをしていると、社会から取り残された感じがして孤立感を感じることがあるかもしれません。少しの時間、お金もないと心に余裕もなくなって家族にキツくなってしまったり、そんな自分が嫌になったり…その繰り返しから私は抜け出せないでいました。そんな方々がつながっていくことで、ほっと一息つける場をつくっていけたらな、と思っています」

テレワークでは、実際に会えることは少ないです。それでも、画面の向こう側で、こんなふうに見守ってくれている方がいると思うと、とても心強く感じます。

画面の向こうの応援係。
伊田さんの温かな思いが、これからも広がり、繋がっていくといいなと願っています。