園になじめないお子さんへの関わり方–通信のこのこ令和8年6月号(第3号)
巻頭言(センター長 藤藪庸一)
「知ってる」「分かってる。」と思っていることと、実際にできることとの間には、大きな隔たりがあることが、時にして起こってしまいます。
5月に入ってから、私は腎臓の移植手術を受けるために大阪の病院に入院しました。
移植手術は、今後のことを考えて最善を選ぼうと決断したことでしたが、思うようにいかないことや、検査や治療が日々続くことで、ストレスはかなり大きいです。
退院予定日は、6月1日でしたが、術後の経過が予定通りにはいかず、ようやく退院の目途が付きました。
私は日頃、牧師として、みなさまとも関わっています。
今まさに、日頃伝えていることを、自分自身が実践する時を過ごしているということを実感しています。
そんな私が、手術の麻酔で眠っている時のことです。
改めて自分が知っていると思っていたこと、分かってると思っていたことが、本当はまだまだ分かっていなかったのだと思い知らされる夢を見ました。
それは、「愛」が大切だということを、自分自身が実は深くわかっていないと思い知らされる夢でした。
この夢を通して、わかっていると思っていることでももっと分かり、自分がやるべきことをもっと自分が気づき、さらなる「できる」を増やすことの大切さを改めて考えさせられました。
おかれたところで、自分の使命を知り、わかり、できるようになること。
一日一日負わされたものを負うことこそが大切であること。
今後の自身の在り方についてある意味覚悟が決まったように思いました。
園になじめないお子さんへの関わり方
保育園、幼稚園に入園から2ヶ月が経ちました。
お子さんの様子はどうですか?
すっかりなじんでいるお子さんもいれば、泣かずに通うことができてきたけど、なんだか浮かない様子の子、又は、「楽しくない」、「行きたくない!」と言う等、行き渋りも伴っている子もいるのではないでしょうか。
保護者の方はそういった様子を見ると不安になりますね。
「毎日元気に楽しい園生活を送ってほしい」と、皆さん願っています。
園になじみにくいお子さんは不安感が強い場合が多いです。
今回は不安を和らげ、園になじんでいくために出来ることを考えてみたいと思います。
行きたくない理由を受け止める
行きたくない理由を言ってくれた時には、その気持ちを否定せずに受け止めてあげてください。
「そっか、だから行きたくないって思うんだね。教えてくれてありがとう。」と受け止めて耳を傾けてあげるだけでも子どもは「聴いてくれた」と安心します。
そしてまた、色んな気持ちを話してくれるようになります。
時々「先生がイヤ!」と言うこともありますが、子どもはうまく気持ちが伝えられずに「何か分からないけど園に行きたくない」という気持ちを、そういう表現で伝えてしまうこともあります。
本当の原因ではないことも多いので、そんな時は本当はどんなことを思っているのか、よく見守ってあげてください。

にこやかに送り出す
パパやママと離れがたく、グズグズと言っている場合、朝の送りの時に時間をかけすぎない方が良いでしょう。
「お仕事が終わったら、夕方迎えに来るね!」と軽くハグをするなど、短くても安心感を得られる時間の共有をルーティンにし、あっさりと先生に引き渡す方が子どももすんなり離れられます。
園になじめず泣いている我が子を前に、後ろ髪を引かれるパパやママの気持ちは痛いほど分かります。
ですが泣くからと言ってずっと離れられないでいると、子どもの泣き方も更にひどくなってしまう場合が多いです。
「いってらっしゃい!」の後は先生を信頼し、お任せしましょう。

園の先生に相談する
・急に毎日たくさんの人との生活が始まり、戸惑いを感じている
・パパやママと一緒にいたいのに
・給食がイヤだ
・みんなで歌いたくない
・・・・子どもが園になじめない理由は様々です。
園の先生に相談し、家での不安定さを伝えましょう。
また、園での様子を聞き、その日あった楽しかったことなどをおうちで一緒にお話しすると良いでしょう。
園の様子を聞くと、意外と楽しく過ごしている時間が多かったりすることもあります。
連絡帳を使って家庭での様子を担任の先生と共有する
担任の先生と共通の話題があると「先生、私のこと知ってくれている」と、子どもは安心します。
連絡帳などを通じ、家庭でのほんの些細な出来事でも伝えることで、先生がお子さんとの話題にし、距離をぐっと縮めてくれることでしょう。
保護者の方が先生と笑顔で話をする
子どもにとってパパやママは一番安心できる存在。
そのパパ、ママが先生と笑顔で話をする姿を見ることで、子どもは自然と先生や園が、安心できる存在・場所と感じられるようになります。

生活習慣を整える
朝起きるのがしんどいと、一日が気持ち良く始められません。
早寝早起きをし、朝ごはんを食べることはとても大切です。
体が元気だと、気持ちも前向きになります。
園生活に見通しを持たせてあげる
今日は園でいったい何があるんだろうと、不安感があることも考えられます。
「今日は保育園で〇〇するんだって。楽しそうだね。」「今日の給食は○○だよ、おいしそうだね。」など、子どもが園での生活のイメージが持ちやすいようにしてあげると不安が減ることがあります。
給食がネックになっている場合
園側も配慮して少しずつ食べられるような工夫をしてくれます。一口でも初めて食べられたものがあった場合など、十分に認めてあげられると自信に繋がります。ゆっくりで大丈夫ですので、見守りましょう。
お子さんと一緒の時間を大切にする
毎日頑張っているこどもさんへのご褒美は、家に帰った後や休日のスキンシップの時間です。
休日に遠出などのお出かけをご褒美とするよりも、パパやママと一緒に近くの公園でのんびり遊んだり、一緒に触れ合って過ごしたりするだけで、子どもは心の充電ができ、体も休まります。
寝る前の少しの時間を大切にする
寝る前の時間は一日をリセットする時間。
絵本を一冊読んでから寝るなどの入眠のルーティンが良いでしょう。
子どもを早く寝かせるために気忙しくなるかもしれませんが、この時間を是非大切にしてみてください。
子どもはぐっと落ち着きます。
家でお手伝いをする
園では家庭よりも、自分のことは自分でする機会が多くなります。
出来ないことが重なり、不安になる子どももいます。
そこで家庭でもちょっとしたお手伝いの機会を持ってみてください。
出来ることが増え、パパやママから感謝されたりすることで、自信を持った誇らしい自分になることが出来ます。

気長に見守るのも大事
家でも工夫してみてるけど、中々園生活になじめない…そんな場合もあります。
子どもそれぞれに色んな理由があります。
そんな時は急がず、気長に見守りましょう。
家庭が「安心安全の基地」
なんと言っても子どもにとって親は、安心安全の基地です。
子どもが社会の中で「安心して過ごすことが出来る」その基本となるのは、親子の信頼関係です。
園でちょっと怖いこと、悲しいことがあっても、「大丈夫!お家に帰ればパパやママがいる。お話を聞いてくれる。守ってくれる。抱きしめてくれる。」という安心感があれば、次第に勇気を持って社会の中へ出て行けるのです。
ど~んと大きな器で、今ある姿をまるごと受け止めてあげてください。
そして、園の先生方と連携を取りながら、この時期を乗り越えていけますように。
くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ
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