kumano 森のふくろう文庫

人と人・文化と文化・サイエンスとアートの交差点

kumano 森のふくろう文庫 くまの もりのふくろうぶんこ

電話番号
090-9247-9407
定休日
不定休 
営業時間
10:00〜18:00
駐車場
店舗前に約3台分あり

「kumano 森のふくろう文庫(以下森のふくろう文庫)」は2020年11月にオープンした古本カフェです。

熊野本宮大社本殿の真裏、熊野古道沿いにあり、約6,000冊の蔵書を美味しいフェアトレードコーヒーとともに楽しむことができます。

森のふくろう文庫のキーワードは「人と人・文化と文化・サイエンスとアートの交差点」です。

「本宮はいくつかの熊野古道が交わる場所です。そんな交差点とも言える場所で、文化や歴史、サイエンスやアートが人とともに交わることができたら、観光地としても本宮がもっと魅力的になると思うのです。そのためにも、本屋という存在が必要だと感じています」

そう語るのは森のふくろう文庫のオーナー、安原克彦さんです。大阪府出身の安原さんは東京で長年働いたのち、元同僚の誘いで16年前に田辺市本宮町へと移住、食品加工所で勤めていました。学生時代は生物学を専門に学ばれていたそうです。

「若い頃は自然科学系の本を読んでいましたが、本宮へ来てからは民俗学的なジャンルのものもよく読むようになりました」
そう語る安原さんの読書遍歴も反映され、森のふくろう文庫は自然科学や民俗学や宗教関係、地元出身の作家のコーナーのほか、ノンフィクション物や小説や漫画、絵本など、幅広いジャンルの書籍を取り揃えています。
長面使われていなかった土地に木の温もりのある店舗を建てました。晴れた日にはオープンテラスの席もおすすめです。
ときおり、本宮大社から御祈祷の太鼓の音も聞こえてきます。店内には小上がりがあり、畳の席で飲み物を楽しむことができます。

「WiFiも使えますし、パソコンを持ってきて仕事される方もいますよ」と安原さん。飲み物はコーヒーのほか、古座川町のゆずドリンクや地元メーカーのサイダー、白浜のクラフトビール や地元産の釜炒り茶などがそろっています。

そして、森のふくろう文庫にはDVD上映のできるプロジェクターとスクリーンが用意されています。

「近隣の方の呼びかけで、小さな映画上映会を実施したことがあります。上映会のあとはみなで感想を語り合う時間を持ちました」と安原さん。本屋、という文化の発信地が、人と人が交わる場としての機能も果たした貴重な機会でした。

放課後に立ち寄り、小上がりの畳で宿題をしていく子供もいます。

「大人は田舎にいても、インターネットで本を買えますよね。でも、子供にはそれはなかなか難しい。子供が本に触れる機会を持つ上でも、本屋があることは重要だと思います」と安原さんは言います。

田辺市本宮町唯一の本屋は、地域の子供たちの可能性の一端を担う存在でもあるようです。

本宮大社への参拝後や古道巡り中の一休みに、「kumano 森のふくろう文庫」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。文化やアート、サイエンス、そして人との意外な出会いが待っているかもしれません。

メールアドレス katsuhiko.yasuhara@gmail.com