El camino del poeta

勝浦の旬の味が楽しめる大人の秘密基地 

El camino del poeta エルカミーノデルポエタ

電話番号
070-4087-6762
定休日
日・月・火
営業時間
19:00~24:00(L.O 23:00)
駐車場
有り(1台分、要問い合わせ)
Instagram
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El camino del poeta(エルカミーノデルポエタ)は、その名を訳すと「詩人の道」。詩人であり心理カウンセラーでもある佐藤由明(よしあき)さんが、奥様のさゆりさんとともに勝浦にオープンしたレストランバーです。

心理カウンセラーがなぜバー経営を?その理由は、彼が20年ほどのカウンセリングの仕事で感じてきた課題にありました。

「本来の自分を取り戻してもらうのに必要なことは、本人の心の奥底にある衝動にふれてもらうことです。都会でのカウンセリングは、その人、特に大人の衝動を引き出すまでに時間がかかりすぎます。心を開くまでの距離感や時間、それをもっとはやくとっぱらいたいと感じていました」と、由明さん。

ビルばかりの自然から隔絶した環境で、溢れるほどの情報に囲まれて日々忙しく働く人たちの仕事モードの思考を解きほぐすには、時間がかかるのだそうです。

馬と触れ合うセラピー「馬介在心理療法」を実践してきた経験などから、自分よりも大きな命に触れることが人の心を癒す上でいかに大切かを感じてきた彼。大いなる命である海や山などの自然に触れてもらおうと、命をテーマにした熊野エリアを巡る「いのちにつながる旅」を企画するなかで、旅の拠点となる場所を作ろうと思ったのがレストランバーオープンのきっかけでした。

オープン当初は海外の観光客も視野に入れ、勝浦の新鮮な自然の恵みをいかに外から来た人に美味しく食べてもらうか、を念頭に入れたメニュー作りをしていました。しかし、オープンとほぼ時を同じくして2020年3月、第1回目の緊急事態宣言が発令されます。

そのため、メニューは地元の人に楽しんでもらえるものへと徐々にシフトしていき、2021年10月から2月まではおでんを提供。その味は実家が勝浦で鮮魚店を営んでいるさゆりさんが、家庭で食べてきた味を再現したものです。

具は大根や練り物などのスタンダードなものが中心ですが、特筆すべきはマグロの巾着とヒオウギ貝です。マグロの巾着はさゆりさんのオリジナルで、味わえるのはEl camino del poetaだけ。貝は注文が入ってからおでんにするため、出汁だけでなく貝の身も美味しくいただけます。勝浦でも取り扱い自体が珍しいヒオウギ貝のおでんは色も美しく、観光客の方にも喜ばれているそうです。

「ヒオウギ貝のおでんの出汁とスコッチがよく合うんですよ」、スコッチ好きだという由明さんの言葉です。そんな彼が選んだ30種類のスコッチが、カウンターには並んでいます。

ビールも20種類と豊富です。
おでん以外の通常メニューは、その時々にしか味わえない地元の旬の素材を生かした料理が中心です。
12月と1月は、旬の魚介と地元産の野菜を中心に使ったコース料理が提供されます。「この季節にこの場所でしか獲れない貝などもあるので、2、3週間単位で出すものは変わってきます」と、さゆりさん。鮮魚店の娘さんならではのこだわりを持ってメニュー展開をしています。どれとして同じものはないという器を由明さんがお客さんに合わせて出す、という心配りも楽しみのひとつ。

バーのオープンは19時から。21時頃からはさゆりさんにかわって由明さんがカウンターに立ちます。

「早い時間はさゆりのご飯目当てのお客さんがきます」と由明さん。
「私がいる時と由明さんがいる時のお店の雰囲気はかなり違うんですよ」と笑いながらおっしゃるさゆりさん。

「エルカミよあそび」」は、由明さんが「この人の夜の、別の素顔を見たい!」というゲストを招いて開かれる、月一イベントです。那智勝浦エリアで活躍しているクリエーターや遊び上手な大人が、魅力的な時間を提供してくれます。

お店の入口は「流木などを利用して、わざと歪ませて作った」というインパクトのある見た目。入りにくさを感じるお客さんもいるようですが、一度入ってしまうと店内の不思議な雰囲気に「なぜか落ち着く」と言ってリピーターになる方が多いそうです。

外観のちょっとワイルドな見た目と裏腹に、勝浦の新鮮な食材を使った繊細な料理も味わえてしまう稀有なバー、エルカミノデルポエタ。勝浦の旬の味と心温まる時間を楽しみに、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。