ただいまと言いたくなる、贅沢と素朴が絶妙なお宿

南紀白浜温泉民宿料理の宿さきのやなんきしらはま　おんせんみんしゅく　りょうりのやど　さきのや

「いらっしゃいませ！」
さわやかな笑顔で迎えてくれるのは、3代目の若田さん。
『さきのや』は昭和34年に創業の老舗料理屋民宿です。

白浜から太平洋を望む天然の露天風呂「崎の湯」。
そこから坂を上がっていくと、溝から立ち登る湯気と硫黄の匂い。
否応なしに温泉への期待が高まります。

「ただいま！」と言いたくなるような、素朴な外観。一人旅でも寂しさを感じさせない落ち着いた雰囲気です。リフォームされていて清潔なお部屋は、はじめてでもリラックスできます。11室、全てが和室です。

お部屋でひと休みしたら待望のお風呂へ。温泉は源泉掛け流し。湯船の湯の花は成分が濃い証拠。万葉集や日本書紀にも紹介された「牟婁の湯」が源泉です。
正確には「垣谷第二・三号」と呼ばれる中性泉。「ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉」と聞いても温泉に詳しくない私にはピンときませんが、保湿効果と、美肌効果が期待できると聞くと嬉しくなります。海水浴や日光で荒れたお肌にもぴったりですね。温泉は自分で温度を調整して入るスタイル。温度高めでさっと入るも、ぬるめにしてゆったり入るもよし。温度が自分好みに調整できるのは嬉しいポイントかも。

リフォームされた脱衣所や洗面台もきれいで嬉しい。くつろいでもらいたいというさりげない気遣いがところどころに感じられます。

温泉で整ったら、次はお食事。お食事処の座卓でいただきます。
ひとつひとつの食材の魅力を最大限に味わえるように丁寧に作られているお料理。地元の旬をじっくり、ゆっくり味わえるのはお料理屋さんだからこそ。

…お部屋に戻ったらごろーんとゆったり。贅沢と素朴のバランスが絶妙です。

「ホテルや旅館にはないゆったりした雰囲気でリラックスして欲しい。」と若田さん。子どもの頃から民宿のお手伝いをしてきたそう。
温泉民宿さきのやは、美味しい料理やくつろげる部屋だけでなく、あたたかい空気感も受け継いでいるお宿だと感じました。