
子供たちに「色んな生き方」を見せてあげたい
並河 哲次 なみかわ てつじ
25歳の最年少で新宮市の市議会議員となり、2期務めた後で新宮市長選にも立候補されたという経歴の並河哲次さんは大阪府箕面市出身。新宮市を訪れたきっかけは大学生の時に若者支援を行う熊野川町のNPO法人を訪れたことでした。京都大学農学部を卒業後、熊野川町に移住、市議会議員になるまではポン菓子屋さんや家庭教師として働いていました。
並河さんは2013年に神倉神社がすぐ隣という好立地に、若者向けの泊まれる図書館「Youth Library えんがわ(以下えんがわ)」を開設。2020年からは一棟貸切の宿「神倉書斎」の留守番役も務めています。
彼は「えんがわ」にひっきりなしに訪れる小学生たちからは「てつじい」と呼ばれ、親しまれています。
「どうしてここを作ろうと思ったんですか?」
「えんがわ」常連の小学生の女の子がインタビューしてくれました。
「昔自分が進路に迷った時があって、そのあと色んな人にあって迷わなくなったから、小学生くらいから色んな人にあって、いろんな生き方があるんだな、と知って、みんなも悩まないようになるといいなと思ったからだよ」と並河さん。
家庭教師などをしていた時期から子供たちと関わることが多かった彼ですが、いわゆる「教育」に興味があったわけではない、と言います。
「学生に接して、就職か進学か、の二択しかないわけではないことを伝えたかったんです」と語る並河さんは、実際にえんがわに通う近隣の高校生からの進路相談に乗ることもあるそうです。
最近はのんびり過ごしている、と別のメディアのインタビューで話されていた彼の2021年10月現在はというと、
「市議会議員時代くらい忙しい!」とのこと。たしかにこの日もインタビューに答えつつも片手にはご近所に渡す途中であろう回覧板を持ち、小学生たちのリクエストにあれこれ答え、片付けない子に「ゴミを持ち帰ってよー!」と一声かけ、、、と忙しそう。
しかしそれでも明るいエネルギーに満ちた並河さん。奥様の未央さんと2人3脚で忙しい日々を駆け抜けつつ、常に子供たちや若い人たちに寄り添い、その目線は前へ前へと向き続けています。