ありがたい、だらけ。
田中 知恵 たなか ちえ
「私の周りには、ありがたい、だらけなんです。」と語る、助産師の田中知恵さん。
キラキラした大きな瞳がとても印象的でした。
田中さんは、産科病棟と助産院での勤務を経て「ちえの和助産院」を開業。妊娠中と産後の相談や育児相談、乳房マッサージなど、お母さんたちが気楽に立ち寄れる場所を提供しています。
上富田町の岩田公民館では、子育てサークル「わらべ歌教室」「ヨガ教室」を開催。
また学校にも出向き、小学生から高校生を対象にした性教育についても熱心に取り組んでいます。
田中さんの活動の根源にあるのは、長年勤めた深見助産所での経験です。
「深見先生は仕事以外に趣味がないというほど、助産師としての仕事にとても熱心な方でした。80代になると腰痛を抱えていましたが、仕事をするためにとスイミングにも通っていたんですよ。
先生からは、お産に関する技術、お産は忍耐だということ、産婦さんに心から寄り添うことなど、助産師として大切なことをたくさん教えてもらいました。岩田公民館での取り組みも先生から引き継がせてもらった活動です。
深見先生みたいになりたいと思っています。今でもとても感謝しています。」
出産は産婦さんにとっても、生まれてくる赤ちゃんにとっても命がけの一大イベント。
命の誕生の瞬間はもちろん、赤ちゃんが成長して歩いたり喋ったりする姿や、お産が重く病院に転院したお母さんがのちに、お子さんとの元気な姿を見せてくれた時に、田中さんは「ありがたい」と感じているそうです。
「助産師は赤ちゃんがお腹にいる時から関わる仕事です。生命の発達をスタート地点から見せてもらっているわけで、私自身もパワーをもらえます。」
助産師としてのキャリアは20年以上。
「今後はさらに、あなた自身とても大切な存在であることを子どもたちに伝えたい。助産師の経験を活かした性教育に力を入れていきたい。」と話してくれました。
田中さんの助産師としての活動はまだまだこれからも続きます。