駅弁とは地元産の食材がたっぷり入ってこそ!
紀州てまり弁当を引き継いだ駅弁屋 きしゅうてまりべんとうをひきついだえきべんや
てんてんてんまり てん手毬(てまり) てんてん手毬の 手がそれて~
おなじみの童謡「まりと殿様」は、紀州和歌山が舞台になった歌です。歌詞が載っている箱の中から、手毬の形をした容器が出てきます。
紀州てまり弁当は白浜駅で歴史がある駅弁でしたが、販売していた製造業者が撤退することとなり、味三昧が引き継ぎました。
ふたをパカっと開けると、田辺名産の蒲鉾、ごぼう巻き、あなごのかば焼き、鶏の照り焼き、たけのこなどのおかず。その下に特製だしで炊いたご飯が入っています。
歌は、紀州の殿さまが大名行列でお国へ帰るところに手まりが弾み、殿様のカゴまで飛んでいき、そのまま紀州へ連れて行かれてミカンになる話。
あらためて歌を聴きながら食べてみたら、幼いころを思い出して楽しい気持ちになりました。
紀州備長炭で炙り焼き「弁鶏」
味三昧の駅弁は他に4種類あります。
「弁鶏」は秘伝のタレでじっくり煮込み、紀州備長炭で炙り焼いた鶏が入っている弁当。鶏だけではなく錦糸卵とそぼろや豆が入っていて彩も美しい。田辺市に伝わる闘鶏と武蔵野坊弁慶の伝説をかけ合わせた名前で、魅力的な駅弁です。
(闘鶏とは鬪雞神社の鶏合わせの神事)
(武蔵野坊弁慶は鬪雞神社での闘鶏に立ち合ったと伝えられています)
地元のおいしいものを詰め込んだ駅弁「新花暦」
普段いない地域にいるからこそ、いつも食べるものではないお弁当が食べたい。地元のおいしいものがたくさん詰め込まれた駅弁が理想でこだわりたい点です。
新花暦は紀南地域のおいしいものが詰め込まれていました。マグロの角煮、ウツボの煮付、クジラの旨煮、地サバのみそ漬け焼、備長炭の鶏照り焼き、めはり寿司など、紀南尽くしの詰め合わせです。それぞれの食材が引き出すだしの旨味が口いっぱいに広がり、後味のよい弁当でした。
その他、地元の紀州うめどりのからあげがのったパンダ弁当、「熊野古道を歩く」イメージで作った竹かご弁当があります。
竹かご弁当はサンマ寿司、めはり寿司、南高梅、地元産カマボコなどが入っているもので、これは事前に予約が必要です。
紀伊田辺駅には駅弁がないと思っていたので、5種類もあることを知って楽しみが増えました。