みんなにおたよりプロジェクト

白浜レスキューネットワーク通信 令和6年11、12月号

自殺者救済活動

11月1日~11月30日

電話件数166件
保護7件(男性2人、女性3人、子ども2人)
帰宅7件(男性2人、女性3人、子ども2人)
自立2件(男性2人)
共同生活者数11人
(男性6人、女性3人、中学1人、小学1人)


2日、男性を保護。役場の職員からの電話で、男性の相談に乗ってもらえないかということで、男性と会った。
白浜町内のホテルに住み込みで勤務していたが、仕事がもらえなくなり、寮を出なければならなくなり、ずっと食べるものにも事欠く生活を余儀なくされ、途方にくれていた。
死に別れた母親が大切にしていた犬を飼っていて、見捨てることはできず、犬が飼える寮付きの仕事を探していた。
仕事が見つかるまで助けてほしいということだった。
26日、長野県に住み込みの仕事を見つけて引っ越していった。

2日、母と娘2人を保護。夫婦関係で悩み、夜逃げのような状態だった。
これまでの生活でも子どもたちは学校へ通うこともままならない状況で、学校に行けていないとのことだった。
共同生活に受け入れて、転校して学校生活に戻していくことなども話して、最初はそうするかということになりそうだったが、夜中に、母親の腹違いの兄と連絡が取れ、兄のところに受け入れてもらえることになり、母と2人の娘は、兄を頼っていくことになった。

21日、女性を保護。
白良浜交番から電話があり教会まで連れてきてもらった。
車で来ていた。だんだん動かなくなっていく体が動く間に、自分の命を始末しておきたい。
このまま介護を息子にしてもらって生きていくことに、迷惑をかけることに耐えられないと考えていた。
しかし、本当に息子さんは死んでもらいたいと思っているのか確認しつつ、一緒に生きる意味を考えた。
翌日、息子さんと暮らす家に帰ることになった。

26日夕方、女性を保護。
これまでの結婚生活、離婚、夫に騙され実家の財産まで奪われ、不当に思える裁判の結果や、夫の不正を暴きたい思い、残された子どもたちをどう守るかなど、解決の糸口が見つからないまま3時間を超える話を聞いた。
何度も裁判に負けていることや何人もの弁護士に弁護を断られていることなど、本人が言わない事実が他にある可能性は否めないが、とにかく最後まで聞いた。
翌日も話を聞いたが、タイムリミットとなり一度家に帰ることとなった。
自宅近くの教会を紹介した。相談に通っているとのこと。

夜中に三段壁から電話があった。借金で苦しむ男性からだった。
「明日も仕事があるので帰ります」となった。

長く入院していた男性が、施設への入所が決まり引っ越していった。

12月1日~12月31日

電話件数170件
保護3件(男性2人、女性1人)
帰宅3件(男性2人、女性1人)
共同生活者数11人
(男性6人、女性3人、中学1人、小学1人)

4日、9月から共同生活に加わった男性が、まちなかキッチンで働くのを辞め、帰宅した。

5日、深夜に三段壁から男性から電話があった。
次の日仕事があるということで、帰ることになった。
仕事が終わってから相談に来ることになったが、6日夕方「とりあえずもうひと踏ん張りします」と連絡があり、その後、毎日仕事に行っている。

6日夕方6時過ぎに、浜通りの公衆電話から電話があり男性を保護した。
家族とのトラブルなどで家を出て、車上暮らしを8月から続けていたが、精魂尽き果てたとのこと。
共同生活に受け入れ再起を図ることとなった。

8日、ずっと電話で相談を受けていた女性を保護。
今後、LINEがつながり、相談を受けていくことに。自宅へ帰った。

生活自立支援活動

昨年4月に保護した女性は、無職だったころの税金の滞納について請求がきた。
これまでに貯めてきた貯金で一括払いして、過去の清算をしてしまおうということになった。
保養所の仕事にも入るようになった。
ネムさんと美浜教会の英語クラスに参加している。
12月7日、クリスマスコンサートでハンドベルチームの一員として、ハンドベルの演奏を行った。


まちなかキッチンで働く30代男性は、朝と夕方にルーティンを決めて、掃除や洗濯など生活面をしっかり整え、聖書の教えに従い人の悪に悪を返さないことを努力し始めた。
毎週火曜日夜に聖書の学びをはじめ、信仰を持つ決心をした。
12月7日、クリスマスコンサートで男性アンサンブルの一員として数曲披露し、またソロに挑戦し、「ふるさと」を独唱した。


まちなかキッチンで働く20代の男性は、共同生活のメンバーの中にどうしても許せない人がいる。
その人の悪いところや思慮に欠けた行動が赦せないようだ。
それではだめだと本人も思っているようだが、苦労している。
12月7日、クリスマスコンサートでハンドベルチームの一員として、ハンドベルの演奏を行った。
年末、実家に帰って家族と過ごし新年明けて共同生活に戻る予定。


家族で共同生活に加わった40代男性とその子どもたち(中学3年男子、小学3年女子)は、どこまで分離させていくのか難しいところだ。
仕事と家庭の両立を図ることは、精神的にも体力的にも大変なことなのだと改めて感じる。


もうすぐ共同生活に加わって二年になる60代男性は、毎朝5時には活動を始める。
本当に規則正しく生活している。
農業や保養所の仕事においても、任せられるところが増えてきた。
年末にインフルエンザにかかった。


まちなかキッチンで働く30代男性は、1月に温泉会社へ完全転職を目指し、週の前半はまちなかキッチン、後半は温泉会社で働いている。
自分の仕事だけではなく、他人の仕事も視野に入れて、全体を見ることを教えている。
クリスマスに母親が白浜を訪ねてきた。
元気に働いている姿や、今度転職する先の温泉会社も見学された。


今年5月に保護した女性は、本人は認めないが、情報をキャッチする能力に欠けがありそうだ。
弁当屋で働いているときに、周りの情報を取ることができずにチグハグになる。
保養所での仕事にも入るようになり、指示命令系統の下で仕事をする力を身につけるため頑張っている。


6月に保護した女性は、100万円貯めるまで共同生活させてほしいと言っている。

4月からアパートへ自立していた女性が、これまではご飯は共同生活の食事に参加していたが、12月から食事も自宅で食べるようになった。

自殺予防活動

フードバンク、フードドライブ

グルメシティ白浜店、新庄店、東陽店、明洋店、万呂店、田辺ショッピングセンター、御坊店、各店舗のご協力をいただいている。
これらの食材は、他のフードバンクや、子ども食堂、福祉施設、福祉の窓口に生活困窮で相談に来られた方々に配布している。
田辺市内でフードバンク、フードドライブをされているところへ食材の提供を行った。
児童家庭支援センターで関わる生活困窮家庭への支援としても食材の提供を行った。

明誠高校和歌山白浜SHIP(定時制高校)

不登校やひきこもりを経験している生徒たちの成長のために、生活体験や社会体験をたくさん積ませたいと考え、毎週火曜日には課外活動を行っている。
11月5日:福原ニードル工場見学
12日:ドローン教室
19日:世界遺産事前学習
26日:世界遺産探訪 高野山見学
12月3日:デイサービス内の川訪問
10日:デイサービス内の川訪問
17日:コスモスの郷訪問
21日~冬休み

農業

バジルから小松菜、ほうれん草、青梗菜に移行していった。産直店への出荷を行った。

少年少女漂流隊

12月11日、スモークを楽しんだ。
桜の木をチップにするところから体験。
竹筒でご飯を炊くことにも挑戦。
おいしく炊き上げることができた。

コペルくん

コペルくんでのルールを再確認した。
1、無理と言わない。
2、大人が話をしているときは、大人の方をちゃんと見て話を聞く。
3、上の子は下の子の面倒を見る
4、下の子は上の子に従う。
5、けじめを大切にする。

くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ

活動費は、県からの補助金と児童相談所からの指導委託料の二階建て予算となっている。
2024年は、指導委託をなかなか受けることができず、経済的に厳しい運営を強いられた。
12月にようやく計6件の指導委託をもらうこととなり、来年度は少し経済的に健全化されていきそうだ。

募金を始めました。

江見太郎牧師が1979年に活動を始めてから、1700人超える人を保護し、社会復帰へと、支援してきた。
1999年に私が引き継いでからでも保護して一緒に生活してきた人の数は、1000人をこえた。
現在、共同生活の場、学生寮として使っている施設はどれも築50年を超え、雨漏れ、ヒビ割れ、傾きなどなど、建物自体の老朽化がすすんでいる。
その都度修繕を重ねてきたが、配管が古くて水圧に耐えられず破損するなどの修理の費用が嵩むようになり、もう建て替えた方がいいのではないかとところまできてしまった。
そこで、改めて建て替えるならば、今後のビジョンを加えて、新施設建設を祈り始めた。
エジソンハウス構想は、私たちにとっては、夢物語ではなく、これまでの活動の延長線上にある実現可能な社会のセーフティーネットの仕組みだと思っている。
ぜひ、応援よろしくお願いします。
寄付ページ
https://syncable.biz/associate/shirahama-rescue

公演活動

11月8日、東京渋谷ユーロスペースにてドキュメンタリー映画「牧師といのちの崖」の上映とトークショーがあった。
12月2日、母子保健・健全育成住民会議実践発表
12月18日、はまゆう支援学校教職員研修

インターン受け入れ

12月13日、ビルレンダーズの北條さん来所

LS360に参加

11月7日、東京新橋の第一ホテルを会場に行われたリーダーズサミット360に参加。

LS360は、世界的な半導体のメーカであるインテルCEO 、パトリック・ゲルシンガー氏の講演を聞く機会だった。
テーマは、リーダーの資質としてのキーワード「MAP」でした。
Mは、Mentorで、尊敬できる人からアドバイスを受け、常に学ぶこと。
Aは、Audaciousで、ヴィジョンを語り大胆な目標を掲げ、メンバーの士気を高め、つないでいくこと。
Pは、Passionで、チームや会社、そして仲間に対して情熱と愛を持ち続けること。
何事にも挑戦するとき、間違うことは避けられないが、大事なことは、新しい失敗をすることと言っていたのが印象に残った。
確かに同じ失敗を繰り返すところには成長がないかもしれない。
良い学びと出会いの時となった。

今後、ファミリーファーストグローバル、ファミリーファーストジャパンの活動に賛同し参加していこうと考えている。
家庭のなかでの父親の存在の大切さ、役割の重要性を啓発している団体で、私たちのこれまでの自殺防止の現場でも感じてきた家庭の大切さに通じるものがある。

SEEKキャンプクリスマス会開催

12月21日(土) SEEKキャンプクリスマス会を行った。
ブラウニーづくり、ピザづくり、焼き芋、焼きポテト、焼きおにぎり、ベーコン、スモークチーズをみんなで作って食べた。
クリスマスストーリーを分かち合い、ゲームや讃美など楽しい時間を持った。
38名の小学生と中高生のボランティア、大人のボランティア合わせて50名が集まった。

NPO特定非営利活動法人 白浜レスキューネットワーク

〒649-2211和歌山県西牟婁郡白浜町3137-8
TEL&FAX 0739-43-8981
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理事長 藤藪庸一