夏休みの過ごし方–通信のこのこ令和8年7月号(第4号)

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夏休みの過ごし方–通信のこのこ令和8年7月号(第4号)

巻頭言(センター長 藤藪庸一)

夏休みを迎える7月、今、考えておきたいことを自殺予防の観点で紹介します。
これから迎える夏休みを過ごした後、新学期を迎えた9月16日は、WHO(世界保健機関)とIASP(国際自殺予防学会)が共同で定めた「世界自殺予防デー」です。
日本では、そこから始まる一週間を自殺予防週間と定められています。
夏休み明けなどで心身の負担が増えやすいこどもや若者のサポート、および社会全体の誤解や偏見をなくすための啓発活動が全国で集中的に行われます。

こどもや若者への自殺予防は、こども家庭庁や文部科学省などから全国的集中的な呼びかけがなされます。
そのような中で、 児童家庭支援センターは、地域の小中高校や行政、各専門機関との連携を強化して、ひとりで悩まないですむように、こどもや若者、各家庭へ働きかけていく必要があります。
いつも行っている相談活動を継続しつつ、啓発活動にも取り組むことが求められ、自分たち以外の相談窓口も紹介できる体制を作っておく必要があります。

何気ない日常の小さな変化が、悩みになり、一人で抱え込む中で精神的に追い詰められ、自殺に追い込まれてしまうことを想像してしまいます。
日頃から関わりのあるこどもや親御さんとの会話の中に、自殺予防の意識をもつことが、小さな変化を見逃さないことになるのではないかと思わされています。

(小学校低学年向き)夏休みの過ごし方

夏休みは、子どもにとっては「楽しみ」です。
学童保育に行っているお子さんも多いと思いますが、家庭で過ごす時間は日頃より格段に多くなります。
入学して間もない一年生はもちろんのこと、低学年の間は、夏休みの生活のリズムをつかむのが難しいです。
そこで、2学期に「行きたくない」「朝起きられない」とならないための、夏休みの生活の工夫をまとめました。
ご家庭の事情に合わせて、参考にしていただければと思います。

1.夏休みはリズムが崩れやすい

【ポイント】
長い休みは、夜更かし・朝寝坊・ダラダラした時間が増えやすく、心と体のバランスが乱れやすい時期です。

【影響】
生活リズムの崩れから「朝起きづらい」「人と会うのが面倒」「やる気が出にくい」といった状態が生じ、2学期の「行き渋り」につながることがあります。
「夏休みだからこそ整える」「楽しみながらリズムを守る」という考え方が大切です。

【難しさ】
子どもは夏休みでも、保護者は通常の仕事や生活があります。
祖父母さんの支えや、学童保育に通所するなどの工夫もされるでしょうが、低学年の子どもの休み中の生活リズムの形成は思ったより難しいです。
限られた時間での保護者さんの関わりの工夫が大切になります。

3.「起床・就寝リズム」を整えるコツ

【昼夜逆転を防ぐ】
たまの夜更かしがあっても、「遅くまで起きて、昼まで寝ている」が続かないように、親子でルールを話し合っておきましょう。

【起床時間と就寝時間】
学校がある時と大きく変えず、具体的に時間を決めましょう。

【寝る準備】
工夫①「画面との付き合い方」寝る一時間前から、ゲーム・スマホ・タブレット・テレビなどは控える。
工夫②「静けさの確保」読書、しずかな音楽を聴くなど、心が落ち着く時間をつくる。
工夫③「ルーティンづくり」「入浴 → 歯みがき → 読書」のように、寝る前の流れを決める。

3.「1日のリズム」をゆるやかに決めておく

夏休みは自由な時間が多いからこそ、「なんとなく1日が終わってしまう」ことが増えがちです。
そこで、きっちりした時間割ではなく「大雑把な枠組」でリズムをつくります。

【1日のリズム例】
■朝(決めた時間に起床~8時)・朝食・体操や散歩
■午前(8~11時)宿題・読書・自由研究など「頭を使う時間」
■昼(11~13時)休憩・昼食(テレビやゲームは時間を決めて)
■午後(13~17時)友だちとの遊び・プール・お手伝い・習い事など「体を動かす時間」
■夕方~夜(17~20時)夕食・お風呂・家族時間・くつろぐ時間
■就寝(~決めた時間)静かな時間を過ごしてから、布団へ

【コツ】
「午前は頭を使うこと」「午後は体を動かすこと」と大雑把に決めるだけでも、ダラダラしにくくなります。「1日1つは時間が決まっている予定」を入れることをおすすめします。

【ねらい】
「この時間にはここへ行く」「この時間にはこれをする」という予定が一つあるだけで、生活にメリハリが生まれます。

4.生活のリズムが整う「外とのつながり」

夏休みになると、家の中だけで完結する生活になりやすいお子さんも一定数います。
低学年のお子さんが一人で外出するのも心配です。
また、昨今の猛暑・酷暑の炎天下の屋外で活動することも危険です。
したがって、家で過ごすことは安全安心かもしれません。
しかし、家庭のできる範囲で、少しずつ「外の世界」とつながる機会を持っておきたいです。
そうすることが、2学期のスムーズな登校につながります。

【短時間からでOK「外出」のすすめ】
外気温に注意を払いながら、散歩・コンビニやスーパーへの買い物・図書館などの公共施設等で過ごすなど、お子さんのペースを尊重しながら可能な範囲で、外出する機会を増やします。
ただし、一人での行動は避け、家族や友だちと一緒に、炎天下を避け、猛暑酷暑対策を忘れず、お子さんが、自分の身を守ることも教えてあげたいです。

【「人とのつながり」を細く長く】
家族以外の人と話す機会として、学童保育での生活、近所の人へのあいさつ、店員さんとのやりとり、習い事での関わり、図書館の司書さんとの会話なども大切にしたいです。
「家から一歩出る」「人と一言交わす」という小さな外との関わりを積み重ねていくことです。

5. 夏休みの家庭学習の取り組み方

夏休みの宿題や学習で大事なのは、「完璧にやる」ことよりも、「少しずつ進めて、達成感を味わう」ことです。
計画的な生活の中で学習する力は、学力にも直結します。

【宿題の進め方の目星を付ける】
最初に全体を見て、大雑把な計画を立てる。「毎日ドリル1ページ」「読書感想文は○日と○日に」「自由研究はお盆前までに」など、「短時間×少しの量」で毎日続けることを心がけます。

【学習ユニット(単位)を作る】
20分程度を目安に区切り、学習ユニットを意識します。終わったらほめてあげます。
「ここまでできたね」「昨日より進んだね」と、量よりも「続けていること」を認めることがコツです。

【勉強が苦手な子への配慮、興味のあることから入る】
特に1年生、初めての夏休みのお勉強は、好きな本・図鑑・工作・実験など、「学び」につながる遊びから始めます。
タブレットや動画教材も有効に使えます。
短い動画やアプリを使って、「少しだけやってみる」スタイルも有効です。

6.ゲーム・スマホ・動画との付き合い方

ゲームや動画は「楽しみ」であり「大事な趣味」である子どもが多いです。
完全に禁止するよりも、「時間と場面を決めて付き合う」ことが現実的です。

【ルールを「一緒に決める」】
ルール①「時間の目安」1日トータルで何時間までか/午前と午後に分けるかなどやる前に決める/「何時まで」「何本まで」と、始める前に親子で確認する。
ルール②「夜の時間」 決めている寝る1時間前からはゲーム・スマホは切り上げる。
※子どもの意見も聞きながらルールを作ると、守りやすくなります。

7.保護者の「心の余裕」を大切にする

夏休みは、子どもだけでなく保護者にとっても、負担が大きくなりやすい時期です。

【がんばりすぎない】
全部を完璧に、お子さんに強いる必要はありません。
生活リズム・宿題・遊び・外出…すべてを理想通りにするのは難しいと、わかっておくことです。

【「できていること」に目を向ける】
小学校低学年の夏休み、昨日より少し早く起きられた。
外に出る回数が増えた。宿題が1ページ進んだ。
こうした小さな変化を、親子で一緒に喜べると、2学期への自信につながります。

【親自身の休息も計画に入れる】
お仕事が大変忙しい保護者の方もいらっしゃいます。
お子さんが、テレビやゲームをしている時間に、保護者も一息つくことも大切です。

【家族や友人に話を聞いてもらう】
子育ての愚痴や悩みを家族や友人に聴いてもらうことや、地域にいくつかある相談窓口を気軽に利用することも大切です。

「保護者が笑顔でいられること」は、子どもの安心感につながる大切な土台です。

おわりに

【夏休みを「リズムを整える夏」に】
夏休みは、「楽しい思い出をつくる時間」であると同時に、「心と体のリズムを整えるチャンス」でもあります。
早寝早起き・ほどよい予定・外の世界との小さなつながり・宿題とのほどよい距離感――どれも、少しずつで十分です。

【2学期の朝、少しでも軽い足取りで学校へ向かえるように】
ご家庭ごとのペースで、できるところから取り入れてみてください。
もし「どうしてもうまくいかない」「心配が続いている」と感じたときは、ひとりで抱え込まず、児童家庭支援センターなどの相談窓口を、いつでも頼ってくださいね。

くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ

和歌山県西牟婁郡白浜町3300-19-2F
TEL/FAX 0739-45-8818
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