アロマセラピーで「私にしかできないこと」を
谷本 佳寿美 たにもと かずみ
谷本佳寿美(たにもとかずみ)さんは田辺市出身。
柔らかい雰囲気と笑顔が非常に女性らしい印象です。
アロマセラピーに出会ったのは大阪のITの会社に勤めていた時代。仕事の忙しさからイライラを抱えていた際、偶然地下街で出会った香りにまるで背中を撫でられるような感覚を覚えたそう。後日、その香りがするお店「アロマセラピーサロン モンサンミッシェル」を訪れた谷本さんはそのまま、初めてアロマトリートメントの施術を受けました。
「これはなんだ!というほど衝撃的な体験でした。香りと人の手によるトリートメントでとても癒され、力が湧いてきました」
谷本さんはアロマセラピーの世界に興味を持つようになったと同時に、自分の生き方についてある思いを巡らすようになります。「会社員としての私の代わりはたくさんいるけれど、私にしかできないことがあるんじゃないかな」
大きな企業で働くときには発揮できない、自分ならではのホスピタリティやセンスを活かす方向へ、谷本さんは歩むことにしたのです。、会社員を続けながら先述したモンサンミッシェルのスクールで京都の「ジャパンエコールデアロマセラピー」に通うことに。スクールの修了後もホテルやアロマ専門店で、セラピストとして修行を積みました。
しばらく会社員とアロマセラピストの二足の草鞋を続けていましたが、徐々に田舎への移住を考え始めます。「もともと、都会暮らしは自分の性に合わないと感じてたんです。それに、いつか子供ができたら、自然豊かなところで育てたいとも考えていました」
そして、同郷のパートナーが先に田辺市に戻り、谷本さんもUターン。帰ってすぐはアロマのお仕事をするかどうか決めかね、まずは自分の実力を把握したかったそうです。アロマセラピーを受けた経験が豊富そうなお客さんからの評価が集まれば、さらなる自信につながると考えた谷本さん。白浜近辺のホテルに出向き、アロマセラピストとして活動を始めます。
2005年より、白浜の会員制ホテルでアロマサロン「Provence(プロヴァンス)」をオープン。2014年からは田辺市高雄に現在の店舗を構えています。
優しい印象の谷本さんですが、これまでの歩みを知るにつれ、独立独歩の強い精神力を持っていることが窺い知れます。
「うちにくるお客様は自然とご自分の状態を話してくださり、トリートメントの内容はお任せで、という方が多いんです。施術のメニューはあるんですけど、よりお一人おひとりに合わせた施術をご提案できるので、私としてもこのご依頼はうれしいんですよ」
アロマセラピストとして、そして、2人のお子さんのお母さんとして「私にしかできないこと」に取り組み、輝いている谷本さん。その笑顔とアロマの香りに包まれるだけで十分、癒されてしまいそうです。
谷本さんのアロマサロン「Provence」のInstagram → provence.aroma