トイレトレーニングの始め方– 通信のこのこ令和6年11月号(第8号)
センター長あいさつ(藤藪庸一)
ようやく秋らしい日が多くなってきましたが、短い秋になりそうです。
先日、世界的な半導体のメーカであるインテルCEO、パトリック・ゲルシンガー氏の講演を聞く機会がありました。
テーマは、リーダーの資質としてのキーワード「MAP」でした。
Mは、Mentorで、尊敬できる人からアドバイスを受け、常に学ぶこと。
AはAudaciousで、ヴィジョンを語り大胆な目標を掲げ、メンバーの士気を高め、つないでいくこと。
PはPassionで、チームや会社、そして仲間に対して情熱と愛を持ち続けること。
聴講してなるほどと思いました。
何事にも挑戦するとき、間違うことは避けられないが、大事なことは、新しい失敗をすることだと言っていたのが印象に残りました。
確かに同じ失敗を繰り返すところには成長がないかもしれないと思いました。
実は、ゲルシンガーさんとつながりたくて今回、東京まで行ってきました。
名刺交換をして、そして、私たちの活動を紹介し、e-mailで、やりとりができるところまではできました。
自殺の問題はアメリカも日本も同じようにあります。
自殺防止活動から、子どもの生活や教育、親御さんや家族への支援や、高校を運営しながら地域の学校支援にまで広げてきた私たちの活動は、ゲルシンガーさんにもインパクトを与え、賛同していただきました。
大胆な目標を掲げ、さらに前進していきたいと思わされています。
特集 トイレトレーニングの始め方
お子さんがしっかり歩くようになり、おしゃべりもだんだん上手になって赤ちゃんっぽさが抜けてくる頃、「トイレトレーニングっていつ頃から始めたらいいのかな」「どんなふうに始めたらいいのかな」と、ふと思うことがあると思います。
ですが、それが過酷な道のりになっては、親子共々疲れてしまいます。
始めるタイミングには個人差があるものです。
今回は、幼児のトイレトレーニングについて、どのような時が始め時で、どんな方法で進めていくのかに触れてみたいと思います。
おむつ期間もトレーニングの基礎
こまめにおむつ交換を
おむつの機能は年々上がってきています。
たくさんのおしっこもしっかり受け止めてくれ、ついついおむつ替えの回数が減ってしまっていることも。ですが・・・
おむつ替えをしながら
排泄をした後は、赤ちゃんの目と目を合わせ、おむつをこまめに交換しながら
「おしっこ出たね。ベタベタはイヤね~」
「あ~サラサラで気持ち良くなったね!」
と乾いたおむつは気持ちが良いという感覚を共有してあげると良いでしょう。
うんちやおしっこが不快なものであることを赤ちゃんなりに感じ、少し大きくなると、排泄後自ら知らせるようになるなど、トイレトレーニングへの移行にもつながっていきます。
無理に早くから始めなくても良い
赤ちゃんの排泄機能が発達してくるのが、18~24ヵ月といわれます。
尿や便をコントロールする神経や筋肉が十分でない時期に始めても自立に時間が掛り、親はイライラがつのり、子はトイレがイヤになる…という悪循環になりかねません。
放っておいて良いものでもない
働きかけも必要
親の側からもある程度の働きかけは必要です。
排泄の自立は、赤ちゃんからお兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ばれる年代への移行時期に、子どもに大きな自信を持たせてくれるものです。
子どもの成長の様子を見ながら「うちの子、今かな?」の時期がわかればよいですね。
そこで、子どもの成長を観察し…
「今かな?」を推察!
トイレトレーニングのスタートのタイミング、「今かな」を下に例示していますので、参考にしてください。
トイレトレーニングのタイミング「今かな?」
・お腹が空いたなど、自分の感覚を言葉にできる(または、仕草で伝える)
・「〇〇取って」など、簡単な指示が理解できる
・自分で行きたいところへ歩いて移動できる
・オマルに座ったり、人形を使ったりし、トイレをする真似をして遊ぶ
・おむつがぬれたり汚れたりした時、不快を伝えたり、おむつをはずそうとする
・おむつをしていても、おしっこの間隔が長くなる(約2時間以上)
・おむつの中に排泄するときに、部屋の隅に行ったり、ちょっと隠れたところでうなったりと、特定の決まった行動をとる(排泄の感覚を認識できているということです)
始める前に用意すると良いもの
オマル
床にしっかり足が付き、安定した状態で排泄ができます。子どもが一人で座りやすいです。
補助便座
トイレに設置できるので、そのまま流せます。実際のトイレの使い方が身に付きやすいです。
トレーニングパンツ
子どもの好きな柄を一緒に選ぶと、履く楽しみがうまれます。
親のこころの準備も必要
親御さんも、忍耐強さやユーモアの気持ちをたっぷりと用意しておいてください!
始める季節
できれば温かい時期に
トレーニングを始める季節は、春~夏の間がおすすめです。
(梅雨時は洗濯物が乾かないので避けた方がいいかも・・・)
暖かい時期の方が子どもさんにとって、おもらしした時にも冷たさが少なくて良いですね。
この記事を読んでいただいている今は季節的には「今」ではないかもしれません。
トイレに興味を持つ
まずはオマルで
初めは服を着たままで座り方を覚えるといいでしょう。
パンツを脱いでの排泄の際も、一人にせず前で一緒に座り、「おしっこ出るかな?」等、いろんなお話
をしたり、歌を歌ったりしてオマルがつまらない場所にならないようにしてあげると良いです。
トイレを身近に
トイレは閉じられた空間で、子どもによっては「怖いお部屋」のイメージを持つこともあります。
時には親のトイレの際に一緒に入ることで安心空間と認識できるようになることがあります。
親を手本に
その時に、親がトイレを使っている様子を見せ、お手本になることも、トイレの使い方を知る良い機会です。
子どもはまねっこの名人ですから、使い方を真似したくなるきっかけにもなります。
オマルもそこに置いておくといいでしょう。
また、好きなキャラクターのシールをトイレに貼っておくのも「〇〇に会いに行こう!」とトイレを身近な空間にする手立ての一つです。
人形を使う
大好きな人形を、人形用のオマル(ティッシュの空き箱等何でもOK)に座らせて「おしっこ出たね!偉いね」と自分の行動とリンクさせるままごと遊びも有効です。
絵本で知る
トイレを題材とした絵本からトイレに興味を持ち、「やってみよう!」という気持ちになることもあります。おすすめは、
『ノンタン おしっこしーしー』 キヨノサチコ 作
『パンツのはきかた』 岸田今日子 作
『といれ』 新井洋行 作
『みんなうんち』 五味太郎 作
ご褒美シール
オマルでできた時にご褒美カードに貼っていきます。
シールが増えていくと、見た目でも「こんなにオマルでおしっこができた!」と自信を持つことができます。
気を付けたいこと
最初はおむつのままで
最初からトレパンにすることはありません。
トレーニングが進んできたころにトレパンに移行することで、また一つお兄ちゃんお姉ちゃん気分になれることでしょう。
脱ぎ着しやすい服装
尿意や便意を感じるようになり、自分で伝えられるようになっても、複雑な脱ぎ着が必要な服を着ているとトイレに間に合いません。
この時期は特に、ピッタリとしたズボンやオーバーオール、チャック、ボタン、ベルトなどのものは避け、ウエストゴムのものを選んであげると、スムーズにオマルに座れます。
失敗はつきもの
初めてのことに挑戦中の子どもの失敗は、おおらかな気持ちでユーモアをもって声を掛けてあげてください。
怒られ続けると子どもは自信を失ってしまいます。
失敗は見逃し、上手にできた時には褒めて一緒に喜んでください。
でも、やっぱりイライラしてしまう場合は、トレーニングをやめても大丈夫です。
一番大切なのは朗らかな親子関係です。
園でトレーニングが始まったら
園でできたことを聞き、家でも褒め、チャレンジ意欲を高めてあげましょう。
また、ペースを合わせながら家でも同じようにチャレンジする機会を持ってみましょう。
イヤイヤ期に入っていたら
トイレトレーニングの時期にさしかかる頃、ちょうどイヤイヤ期を迎えている子どももいます。
そんな時はトイレトレーニングの始め時ではありません。
イヤイヤ期はすべてが「イヤ」。
イヤイヤ期が落ち着くのを待ちましょう。
々と書いてきましたが、大切なのは無理矢理成功させようと頑張りすぎないことです。
親は「出来ればラッキー」くらいの気持ちで、
できた日の偶然を喜び、
子どもは褒められるプラスの経験を重ねながら、
行きつ戻りつのトイレトレーニングを親子で楽しめますように願っております。
【参考文献】「シアーズ博士のベビーブック」主婦の友社
ママと子ども(赤ちゃん)のほっとスペース のこのこ子ども(赤ちゃん)食堂
開催日
令和6年11月18日(月) 11時~12時ごろ
※食堂のみの開催となります。広場はありません。
※利用料:大人の方のみ100円
開催場所
白浜バプテストキリスト教会
白浜町3137-9
※駐車場は白浜はまゆう病院様の駐車場になります。
子育ての悩みや離乳食の悩み相談もできます。
みんなで楽しくおしゃべりしながらリフレッシュできる時間を過ごしませんか。
くまのっ子児童家庭支援センターのこのこ
和歌山県西牟婁郡白浜町中1700-2 クオリティソフト株式会社 東館2階
TEL/FAX 0739-45-8818
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