潜入!「まちなか子育て応援ひろば」 みなべ・ゆめはぐ館編
すぐに予約で満席となる子育て支援イベントがあるという。子育て経験のない私にとっては未知の領域だ。その名も「まちなか子育て応援ひろば」。
2023年4月18日火曜日、みなべ町の「ゆめはぐ館」でのイベントに潜入調査を行った。
きっずぱーくさんが主催なのだそう。子どもの一時預かりをサポートするファミリー・サポート・センターという事業を行っている組織だ。
きっずぱーくさんのイベントがなぜそこまで人気があるのか。気になった私は、早速調査を開始した。
万全の体制でお出迎え
会場に足を踏み入れてすぐ目についたのは、忙しそうに準備をしているスタッフさん。
8組の親子がやってくるということだが、スタッフはそれ以上の人数に見える。
話を聞くと助産師さんや子ども預かりのベテランたちなど専門家もいるとのこと。やって来たお母さんが少しでも休めるようにという配慮だそうで、まさしく万全の体制である。
色とりどりのおもちゃ
さらに中に入っていくと、まず目に飛び込んできたのは子どもたちのために用意された、色とりどりのおもちゃたち。定番のボールや絵本は勿論のこと、動物の形をしたものや、押すと音のなるもの、中にはどうやって遊ぶのだろう?というものも。こんなに種類があるのか・・・と思いながらおもちゃを過ぎ一番奥の壁に目をやると、ひときわ大きなものが現れた。ボルダリングができる壁である。
下には分厚いマットが敷かれており安全性は完璧。
元気が有り余って仕方がない子どもに効果てきめんなのだそう。私もちょっとやってみたいなと思ったのは内緒だ。
そこは天国でした
いよいよ子どもを連れたお母さんたちがやってきた。
その場にいた全員の第一声が「かわいい~(*’ω’*)」であった。
お母さんにくっついて離れない子、一目散におもちゃに向かって走り出す子、まだ首もすわっていない生後2か月の子・・・天使しかいない。
天国はここにあったのか・・・と思っているとイベントがスタート。今回の講師である公認心理士の浅井育子先生のお話が始まった。
浅井先生は「a spoonful of sugar ~お砂糖ひとさじで~」というカウンセリング&ハンドコンサルテーションルームを運営されている。
様々な不安や働き方などの相談を受けており、カウンセリングの予約は1か月先までいっぱいというほど人気の先生である。
先生は講義で悲しみ・不安・苛立ちなどの感情と、どのように向き合っていくかを話してくれた。子育てをするにあたって必ずといっていいほど出てくるマイナスな感情。子どもがいない生活でも大変なことはたくさんあるのに、育児が加わるとなるとその不安は計り知れない。
不安と向き合うのに大切なのは理解してくれる仲間や友人だという。否定されるとマイナスの感情はより大きくなっていく。互いに理解できる人と肯定しあうと、負の感情は小さくなっていくのだとか。
このイベントは子どもたちがいつもと違う環境に触れ合える機会でもあるが、同時にいつも頑張っているお母さんたちのためでもある。
お母さん方は、他の参加者やサポーターさんと楽しそうにお話しされていた。子どもを介してお話しすることで初対面でも話しやすいようだ。実際に参加していた方に話を聞いてみると、普段は、家で子どものお世話ばかりで、他人と会話をすることがほとんど無いという。しゃべり方を忘れてしまうなんてこともあるそうだ。こういった自分と同じ立場の人が集まるイベントはとてもありがたいのだと、嬉しそうに話してくれた。
お母さん同士が話をして繋がりをもち、互いに理解しあえる仲間を作る、そのための場でもあるのだ。
また、子どもたちが遊んでいる隣の部屋ではヘッドマッサージも行われていたらしい。お母さんたちにとっていたせりつくせりの場だ。
ファミリー会員が便利かも!?
今回のイベント「まちなか子育て応援ひろば」は、ファミリー・サポート・センターきっずぱーくの会員さん対象のイベント。会員でない方も当日に無料で会員登録をして参加することができる。
これまでご紹介してきたように、子育て中のパパママや子どもたちにとって最高のイベント。人気ですぐに予約で埋まるため、早めの申し込みが必要だ。
ところで、ファミリー会員をご存知だろうか?話を聞いてみるとかなり便利なサポートを受けられるようだ。
ファミリー会員とは、子育てを支援してほしい家族のための制度だ。入会すると一時的に子どもを預かってくれるサポート会員を紹介してもらえる。通院や仕事で利用される方も多いようだが、美容院やエステなどのリフレッシュの目的でももちろん歓迎されているそう。
母子手帳を受け取ると登録出来るため、利用するかどうか分からない方もあらかじめ入会しておくと安心である。
調査結果
「まちなか子育て応援ひろば」に潜入調査してみての感想は「手厚い」のひとこと。子どもに対して、専門家たちがしっかりと面倒を見てくれる手厚いサポートや、日頃頑張るお母さんたちのために用意された心と体のケア。笑顔のたえない会場で、調査を行っていた私も癒される空間であった。
手厚いサポートゆえに参加人数を増やせないことが唯一残念なポイントだろうか。このイベントが各地で定期的に行われるような規模になれば、お母さんたちの苦労が格段に減り、みんなで子育てをしていくという「人のつながり」も大きくなっていきそうだ。
そのためにはどんな場である必要があるのか。
今後も、調査を続けていきたいと思う。